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2013年6月10日 (月)

17歳のカルテ

精神病院の思春期病棟に入院する、ウィノナ・ライダー演じる不安定な精神状態のスザンナ、アンジェリーナ・ジョリー演じる破天荒でアグレッシブなリサ、そのふたりを取り巻く入院患者たちをめぐる物語である。スザンナ役はウィノナ・ライダーが地で演じても違和感がない感じがする。看護婦役のヴァレリー・オーウェンズの渋い演技が光る。
1717歳のカルテ
Girl, Interrupted
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェームズ・マンゴールド/リサ・ルーマー/アンナ・ハミルトン=フェラン
原作:スザンナ・ケイセン『思春期病棟の少女たち』(草思社文庫)
製作総指揮:ウィノナ・ライダー/カロル・ボディ
音楽:マイケル・ダナ
アメリカ   ドイツ   1999年   127分

高校を卒業するスザンナは、以前から何かと問題を起こしてきた。
アスピリンひとビンとウォッカを1本飲んで自殺を計り、精神病院に収容される。医師には、自殺しようとしたのではなく自分を消そうとしたと表現した。
テレビのニュースでキング牧師の暗殺事件が報じられている、1960年代後半が舞台。彼女以外の同級生は全員が大学に進んだ。

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スザンナが入院したのは思春期の少女たちがいる開放的な病棟。病名は境界型人格障害、うつ的で情緒不安定で気まぐれ、性的に奔放、ときに自分を制御できなくなる症状を抱えている。

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スザンナが入院して数日後、病院から脱走していたリサが連れ戻されてきた。リサは、「フロイト創業の精神病産業に舞い戻ってきた!」と大声で叫ぶ。彼女は入院患者の注目の的で、いつも騒がしい。リサの自信に満ちた振る舞いに惹かれ、スザンナは病院こそが自分の居場所のように思えてくるのだった。

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患者たちがひっきりなしにタバコを吸い、集まって歌ったり、病院の地下室にあるボーリング設備で遊んだり、さっぱり精神病院らしくない。

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ある日、リサは父親との近親相姦が摂食障害の原因であることを患者にストレートに言い、彼女を自殺に追い込んでしまう。リサは事実を知らせ背中を押しただけだと開き直る。このことでスザンナはリサが許せなくなり、リサやほかの入院患者と疎遠になっていく。
ある日、スザンナはリサが病院内でしか生きられないことを指摘するのだった。そして、スザンナは自らを奮い立たせ退院する。

まだ新人の部類だったアンジェリーナ・ジョリーは、本作でアカデミー賞助演女優賞を獲得した。賞に値するぶっ飛んだ演技だ。本作の製作総指揮でもあるウィノナは、あの役であれば誰でも賞を取れたと嫌味を言ったとか。→人気ブログランキング

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