思秋期
失業中のジョセフ(ピーター・ミュラン)は激昂しやすい性格。
かっとして飼い犬を蹴って殺してしまい、ショーウィンドウのガラスを割り、バーでビリヤードに興じる若者たちに因縁をつけ殴りかかった。いつも怒りを抱えイライラしていて、酒を飲んでは暴れ、落ち込む生活を送っている。
思秋期 Tyrannosaur 監督:パディ・コンシダイン 脚本:パディ・コンシダイン イギリス 2011年 98分 |
ある日、ジョセフはリサイクル・ショップで働くハンナ(オリヴィア・コールマン)にであう。はじめはハンナに突っかかるように接したジョセフだが、彼女と会うことで心の安らぎを感じるようになる。
ジョセフは、死が間近に迫った友人のために祈りを捧げてくれるように、信心深いハンナに頼む。
本作に、「Tyrannosaur」という飛んでるタイトルをつけたのはなぜか?イギリス仕込みのユーモアだろうか。ティラノサウルスは、ジョセフが亡くなった妻につけたあだ名である。彼の妻は大柄で大食い、歩くと床がきしみ大きな音をたてた。糖尿病を患い、目が見えなくなり両足を切断したという。ジョセフはそんなあだ名をつけてしまったことを、後悔しているとハンナに話す。
子供を産んで育てる、そんな平凡な暮らしを望んでいたハンナも闇を抱えていた。高級住宅地に夫とふたりで暮らす彼女は、経済的には恵まれていたが、夫婦の関係がうまくいっていない。夫は異常なくらい嫉妬深い。
そんなある日、ジョセフが亡くなった友人の葬式に着ていくスーツをハンナの店で見繕い、ネクタイをハンナに締めてもらうところを、ハンナの夫に見られてしまう。
そのことをきっかけに、悲惨な事態へとなっていく。
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