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2013年7月15日 (月)

『ふがいない僕は空を見た』

ふがいない僕は空を見た [DVD]
監督:タナダ ユキ
脚本:向井康介
原作:『ふがいない僕は空を見た』窪 美澄(新潮社)
音楽:かみむら周平
日本  2012年 142分  ★★★*

登場人物たちが抱える生きる苦しさを、重くなりすぎずさらりと描いている。セックスと妊娠と出産をテーマにして、生きていくのは並大抵のことではないと暗示する内容。

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友人と訪れたアニメの同人誌販売会で、高校生の卓巳(永山絢斗)はあんずと名乗る主婦の里美(田畑智子)と出会う。里美の誘惑でふたりは彼女の家でアニメのコスチュームをつけてセックスをする関係になる。
ところが、同級生の七菜(田中美晴)から「サイトウ君のこと好きなのね、あたし」と告白された卓巳は、里美と別れる決意をする。このあたりは、二股をかけるのをよしとしない純粋さがあるようだが、里美との関係はずるずる続き、ふがいない。
里美は夫との間に子供ができず、人工授精を試みているが妊娠はしない。
夫は病的なオタク。自分と同じいじめられっ子が生まれることを恐れている。夫の母は孫ができないことで里美を執拗に責める。

夫は里美の様子に疑いを持つようになり、寝室にビデオカメラを仕掛け、里美と卓巳のセックスシーンを撮影した。それを、見せられた里美は夫と姑に離婚してくれるよう懇願するが、夫は別れないという。
そして、このビデオがネットに投稿され、卓巳の情事が学校中の知るところとなり、彼は家に引きこもってしまう。

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卓巳の母、寿美子(原田美枝子)は自宅で助産院を開いている。ある日、彼女が神社に行くと、そこには卓巳がいた。落ち込んでいる卓巳に、寿美子は「生きててね。生きて、ずっとそこにいてね」という。母は強く寛大である。

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団地に住む良太は認知症の祖母とふたり暮し。生活費を稼ぐために、朝は新聞配達、夜はコンビニでバイトをする極貧の生活を送っている。卓巳とは仲がいい。
バイト仲間に医者の息子がいて、やたらと良太に親切に接する。良太に、団地暮らしから抜け出すために、勉強を教えるから大学にいけという。その言葉に良太は目が覚めるのだが、その医者の息子は小児ポルノ撮影のとがで逮捕されてしまう。

良太は引きこもっている卓巳の家を訪れ、いつまで甘えているじゃないとベッドを蹴飛ばす。

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