バベットの晩餐会
19世紀後半、デンマークの片田舎。
敬虔なプロテスタントの牧師を父に持つ美人姉妹のマーチーネとフィリパに、村の男たちが次々に求婚したが、父親はことごとく断った。
そんなある日、村に滞在していた青年将校のローレンスがマーチーネに一目惚れをした。しかし、ローレンスは母親のすすめる裕福な家の娘を選んだ。
その後パリの有名な歌手パパンが妹のフィリパの歌声に魅了され、歌のレッスンをするようになる。しかし、急接近しようとするパパンに、彼女は警戒しレッスンを断ってしまう。
バベットの晩餐会 Babette’s Feast 監督:ガブリエル・アクセル 脚本:ガブリエル・アクセル 原作:『バベットの晩餐会』カレン・ブリクセン(ちくま文庫) 音楽:ペア・ノアゴー デンマーク 1987年 102分 |
そして35年が経ち、すでに父親は亡くなり、老女になった姉妹はずっと独り身を通してきた。姉妹は経済的にぎりぎりの生活をしながらも、貧しい村人たちに善行を施してきた。
そんなある日、バベットと名のる女性がパパンの紹介状を持って現れる。バベットはフランスの内乱で国を追われたのだった。姉妹が家政婦を雇う収入がないと断ると、給金はいらないから置いてくれと懇願する。姉妹は仕方なくバベットを雇うことにした。
はじめは受け入れなかった村人たちだが、バベットは徐々に溶け込んでいく。彼女にはどこか魅力がある。彼女が作る料理は美味しく、彼女のやりくりで姉妹だけで暮らしていた頃より余裕が生まれるのだった。
そして14年が経ち、姉妹の父親の生誕100年を祝う会を開くことになった。一方、バベットが毎年買っているフランスの宝くじが当たったと連絡がきた。その額1万フラン。
バベットは晩餐会をすべて任せて欲しいと姉妹に願い出て、買い出しにパリに向かった。8日後、大量の食材と高級シャンパンやワイン、食器を携えて、バベットが甥とともに帰ってきた。
村人と今は将軍のローレンスも招かれ、総勢12人の晩餐会が始まった。
村人たちは、食べ物の味をとやかく言ってはいけないという牧師の教えを守って黙々と食べていたが、将軍の食べる様子を真似しているうち、食事を楽しむようになる。
皆で和気あいあいと美味しい食事を摂ることは、どれほど幸福なことか。
このあと、バベットは姉妹にパリの高級料理店カフェ・アングレの料理長であったことを告白し、ちょうど1万フランの料理であったことを明かす。心が温まるほのぼのとした映画だ。
第60回アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞している。→人気ブログランキング
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