『かぞくのけんか』
posted with amazlet at 13.11.27
A Night for Dying Tigers
監督:テリー・マイルズ 脚本:テリー・マイルズ 音楽:エイコ・イシワタ カナダ 2010年 90分 ★★★*☆ |
1年前に3人の兄弟と養女の両親が不幸な亡くなり方をした。そのことが兄弟たちに精神的なトラウマとして重くのしかかっている。
今は誰も住んでいない両親の家に兄弟たちが集まって、24時間後に刑務所に収監される長兄との最後の晩餐をするというシチュエーションで話は始まる。晩餐を準備する友人、兄弟たちのパートナー、長兄の不倫相手も加わわる。物語が進むにつれて兄弟と養女、パートーたちのおかれた状況が徐々に明らかになっていく。
飲み過ぎ、はしゃぎ、喧嘩になり、誤解が溶け、一夜が明けていくという『ヴァージニアウルフなんて怖くない』を彷彿とさせる夜っぴいての飲み会が行われる。感情が高ぶった兄弟たちが、傷を舐めあって過ごす丸一日を描いた映画である。『かぞくのけんか』よりは、原題のA Night for Dying Tigers 〈瀕死の虎たちの夜〉がしっくりくる。
メラニン(ジェニファー・ビールス)の15年間連れ添った夫のジャック(ギル・ベローズ)は、殺人罪で刑務所に収監される。
これから、兄弟たちやそのパートナーが、かつて兄弟たちが暮した家に集まり、最後の晩餐が始まろうとしている。
集まったのは長兄のジャック夫婦、次男の教授で作家のラッセルは19歳の恋人と同伴で現れた。さらに、末弟の映画製作をに関わっているパトリック、養女のカレンがやってくる。カレンは情緒不安定な問題児とレッテルが貼られていたが、彼女の気遣いで兄弟たちを支えていたところがある。3兄弟は神童としてかつてこの町の新聞に載ったこともあった。
パトリックとカレンに肉体関係があるのは、家族には周知の事実である。それにメラニンは「自重しないとダメよ」と注意を与える。
ジャックは3人無断で家を売りに出しすでに買い手がついたから、大金が入ると打ち明ける。ところが3人は思い出の家が他人の手に渡ることに承服できない。晩餐には、ジャックの不倫相手ジュールス(キャスリーン・ロバートソン)が加わって、タイトル通りの喧嘩が始まり、ついにはカレんが薬を飲みすぎて救急車が出動する騒ぎまで起こる。
兄弟もメラニンもジャックの相手がジュールズであることを知っていて、ジャックはジュールスをレイプしようとした男を殺したのだった。
メラニンは、家を買ったのは自分であること、妊娠していることを皆の前で発表する。兄弟たちにとってはこれ以上ない朗報だ。
兄弟たちは、両親の死と長兄の監獄収監を除けば、いい方向に行っているのだ。
こうして冒頭のシーン、レコードショップで試聴するメラニンの顔が映り、嬉しさと悲しみが入り混じっているように見える意味がわかる。→ブログランキングへ
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