料理長殿、ご用心
美食家のマックスは減量しなければ半年の命と医師から宣告されている「超」が付くメタボ。彼が雑誌で取り上げた世界のベストシェフ4人が、それぞれの得意料理にまつわる方法で殺されていく。4人目はデザートシェフのナターシャ。お得意はアイスクリームに火をつけるボンブ・グラッセである。テレビの料理ショーでナターシャが作るボンブ・ブグラッセに爆弾がしかけられていた。
ユーモアたっぷりのサスペンスコメディ。
見どころは、豪華絢爛な料理の数々と臨場感溢れる厨房のシーン、堂々たる体型のマックスの減らず口、それとジャクリーヌ・ビセット。
![]() Who Is Killing the Great Chefs of Europe? 監督:テッド・コッチェフ 脚本:ピーター・ストーン 原作:アイヴァン・ライアンズ/ナン・ライアンズ 音楽:ヘンリー・マンシーニ 米・伊・仏・西独 1978年 112分 |
フーフーと荒い息をしながら難儀そうに歩くのは、料理雑誌を主幹し美食家として知られるマックス(ロバート・モーリー)。本物志向のマックスは、自らの事務所で、ピーナッツバターを隠し持っていた受付嬢をクビにし、タバコをもちろん憎み、缶詰を使うなど言語道断、陳腐なアイデアは否応なしに没にする。事務所内で暴君のように振舞ったあと、予約していた主治医のもとに秘書のビーチャム(マジック・ライアン)と向かう。主治医から減食しなければ半年の命と宣告された。
このたび、マックスが主催する王室晩餐会では、イギリスの天才料理人ルイ(ジャン=ピエール・カッセル)の作るオードブル・鳩の包焼き、そしてニューヨークから呼び寄せた世界一のデザートシェフ・ナターシャ(ジャクリーヌ・ビセット)が作るボンブ・グラッセが目玉。ボンブ・グラッセは火をつけて出す爆弾という意味のアイスクリームである。
ナターシャの元夫ロビー(ジョージ・シーガル)はヨーロッパ中にオムレツのファーストフード店を展開しようと画策中。ナターシャとのよりを戻そうと、彼女のいるところに出没する。マックスには何かと毛嫌いされている。
マックスが雑誌に取り上げた「世界のシェフベスト4」は、鳩の包焼きのルイ、ベネチアのロブスター・カルチオフィ風のゾッピ(ステファノ・サタ・フロレス)、パリのプレスド・ダックのムリノー(フィリップ・ノワレ)、そしてナターシャの4人だった。
晩餐会は好評のうちに終了し、ルイとナターシャは、女王陛下から直々にお褒めの言葉を賜った。ふたりは意気投合して一夜をともにするが、翌朝、ルイはオーブンの中で焼かれて死んでいた。
次はゾッピが店の水槽の中で死んでいた。さらにムリノーも、自らのダックプレス機で頭を潰されて殺された。こうして雑誌に掲載されたシェフが、それぞれの得意料理にまつわる方法で殺された。
テレビの公開料理ショーでボンブ・グラッセを作るナターシャの身の危険を察知した元夫のロビーは、テレビ局に駆けつけ、間一髪でナターシャを助ける。そのデザートには本物の爆弾がしかけられていた。
マックスは食べることを制限された上、世界のベストシェフたちの料理を口にすることができなくなったことで、生きる希望を失っていた。そんななかで意外な人物が犯行を打ち明ける。→人気ブログランキング
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