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2013年12月16日 (月)

蛇イチゴ

自ら脚本を書き初めて監督を務めた西川美和監督の才能が垣間見えるブラックコメディ。真面目な教師役のつみきみほと、ちゃらんぽらんな詐欺師役の宮迫博之の対象的な役柄設定がピタリとはまり、ストーリーが締まっている。
Image_20201213113701蛇イチゴ
監督:西川美和
脚本:西川美和
製作総指揮:是枝裕和
音楽:中村俊(カリフラワーズ)
日本 2003年  108分

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真面目で優等生タイプの小学校教師・明智倫子(つみきみほ)は同僚の鎌田(手塚とおる)と結婚を前提とした付き合いをしている。坊ちゃん育ちの鎌田を夕食に招待して、両親に引き合わせる。家には痴呆症の祖父(笑福亭松之助)がいるが、鎌田は倫子の家族に好印象を持った。
母親(大谷直子)は気に入るが、父親(平泉成)はビールよりシェリー酒やワインを飲むとpいう鎌田が気に入らない。

 

 

そんなある日、祖父が心臓発作で亡くなり葬式がとり行われ、そこに10年前に父親に勘当され、その後音信不通だった兄の周治(宮迫博之)がひょっこり現れる。
実は、香典泥棒をしようと狙いをつけた葬儀場で、たまたま祖父の葬儀が行われていたのだ。

 

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出棺のときに、借金取りが現れて父親に金を返せと掴みかかるのだった。父親は会社をリストラされ、出社するふりを続け、給料分を同僚やヤミ金から借金していたのだ。明智家の悲劇はここから始まる。

 

周治は機転をきかせ弁護士の名刺を出して、暴力的な取り立ては貸金業の免許を取り消されると、立て板に水のように借金取りにまくし立て、その場は丸く収まった。かつて借金取りの仕事をしていた周司が、弁護士に言われた言葉をそのまま言ったのだ。

その夜、別の借金取りが家に現れて、切羽詰まった父親は周治が差し出した120万円を借金取りに渡し、その場は収まった。
そのあと、鎌田から呼び出された倫子は交際を止めようということになってしまう。帰りのタクシーで、ラジオから香典泥棒のニュースが流れ、倫子は周治を犯人と疑う。

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倫子が家に帰ると借金は到底返せない額に膨れ上がっていることがわかり、すべての財産を周治の名義にして、父親が破産を申請して借金をチャラにするというシナリオになっていた。倫子は周治が大学の学費をネコババしたことや、中学生の倫子の下着を売っていたことをあげ、周治を信用できないと主張した。倫子が「家がお終いになっちゃう前に、お兄ちゃんに出て行ってもらおうよ」というのだが、疲れ果てた両親は話を続けることができず寝室に引き上げる。

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子供の頃、周治が小学校の裏山で蛇イチゴを見つけたといい、それを探しにいった倫子が山の中で迷子になったことがあった。蛇イチゴの話は嘘という倫子に周治は嘘じゃないと反論する。こうして倫子は周治を夜中に裏山に連れ出し蛇イチゴを探すのだった。

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先に進む周治を放っておいて、倫子は携帯電話で香典泥棒が裏山にいると警察に通報する。夜が白々と明けるころ、倫子が家に戻ると縁側の戸が開いていて、蛇イチゴがおかれていた。→ブログランキングへ

 

【西川美和監督作品】
夢売るふたり』2012年 
『ディア・ドクター』2009年 
ゆれる』2006年
蛇イチゴ』2002年

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