ダーティハリー4
ダーティハリー・シリーズ5作のうち、クリント・イーストウッド自身が監督を務めたのは本作だけである。
ハリーが強盗を追いかけるシーンでは、イーストウッドが後に市長となるカーメル市の町並みが映し出される。
例の有名なセリフ、レーガン大統領がグレナダ侵攻の演説で口にして物議を醸した「ゴー・アヘッド メイク・マイ・デイ」は、本作で使われている。
さらに、プライベートでは、『アウトロー』(76年)で共演して以来、同棲していたジェニファー役のソンドラ・ロックとの共演は本作が最後となった。何かと話題が多い作品である。
ダーティハリー4 Sudden Impact 監督:クリント・イーストウッド 脚本:ジョゼフ・スティンスン 原案:アール・E・スミス/チャールズ・E・ピアース 音楽:ラロ・シフリン アメリカ 1983年 117分 |
本作は、ジェニファーの復讐劇である。
10年前に女子大生だったジェニファーが高校生の妹と共に複数の男からレイプされた。妹はその事件以来廃人となった。そのレイプに加わった男たちを見つけ出して、復讐を遂げようとする。
あまりにも派手なハリーの仕事ぶりに、「君の成功はほかの連中の失敗より高くつく」と上司に言われ停職処分となり、ハリーはサンポーロの町にやってくる。
サンフランシスコ市警の管轄内で、男が38口径で股間を撃ち抜かれ殺される事件に引き続き、サンポーロでも、股間を撃ち抜かれる事件が続けて起こる。
ジェニファーに銃口を向けられた男はいう。
「悪いことをした思っている。10年以上も前のことじゃないか。若かったんだ。仲間が悪かったんだ。あのくらいのこと許してもいいではないか」と命乞いをする。そんな能書きには構わず、ジェニファーは銃をぶっ放した。
ハリーがジェニファーに出会うのは偶然からである。ハリーがブルドッグを散歩させていると、前からきた自転車に乗ったジェニファーに、犬が飛びかかり転ばせてケガをさせてしまう。これをきっかけに、ハリーは事件の真相を知ることになる。
碌でもない連中の中心に悪の権化のような鼻つまみの姉弟がいた。
警察署長の息子もレイプ事件に関わった弱味を握っているので、警察はふたりに迂闊に手が出せない。
ジェニファーはその姉弟に迫るが逆に人質になってしまう。
所々にジョークが挟み込まれ、伏線がじわじわときいてくる、一捻りも二捻りもある展開のイーストウッド流エンターテイメントが味わえる作品である。→人気ブログランキング
『ダーティハリー Dirty Harry』 1971年
『ダーティハリー2 Magnum Force』1973年
『ダーティハリー3 The Enforcer』1976年
『ダーティハリー4 Sudden Impact』1983年
『ダーティハリー5 The Dead Pool』1988年
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