パーフェクト・プラン 完全なる犯罪計画
途中までは緊迫のサスペンス、終盤にガラッと変わってコメディ風になり、その落差は大きい。
![]() Thin Ice 監督:ジル・スプレカー 脚本:ジル・スプレカー/カレン・スプレカー 音楽:ジェフ・ダナ アメリカ 2012年 93分 |
真冬のウィスコンシン州のとある町。
『ファーゴ』(96年)や『シンプルプラン』(98年)を思い起こさせる凍てつく冬の世界である。
保険のセールスマンのミッキー(グレッグ・キニア)は金に困っていて、不倫がばれて妻リー・トンプソン)とは2カ月前から別居。預金が底をついて出張のモーテル代もカードから落ちない有様。ミッキーは嘘で嘘を塗り固めるような危なっかしい日々を送っているから、いつも緊張していて落ち着きがない。
そんなとき、ひとり暮らしのボケ気味の老人ゴルヴィー(アラン・アーキン)に出会い、保険の勧誘に成功し、ヴィンテージもののヴァイオリンを持っていることを知る。ミッキーはその3万ドルのヴァイオリンをすり替えて一儲けしようと企んだ。
姉の葬式で家を空けたゴルヴィーの家に警報機業者のランディ(ビリー・クラダップ)を呼んで鍵を開けさせ、ヴァイオリンをすり替えるが、ゴルヴィーの家に立ちよったフランクを、ちょっとした弾みで前科者のランディが殺してしまう。ミッキーはフランクの死体を凍った湖の氷の下に隠す手伝いをさせられ、共犯の証拠となる写真を取られ、ランディに金を要求されるようになる。
ヴァイオリンが再鑑定されるとその価値はなんと125万ドルであった。
早急に金を手にしたいランディに脅され、盗品であっても買ってくれるヴァイオリン収集家に売ろうと駅で待ち合わせをする。ミッキーの隣に座った男の持っていた新聞をチラリと見ると、湖から死体が発見されたとの記事があった。恐ろしくなったミッキーとランディはヴァイオリンを捨ててしまう。
ここまでは、シリアスなサスペンスもので、ハラハラドキドキさせる。
しばらくして、ゴルヴィーの家を訪れたミッキーは、家を空けていた本物のゴルヴィー夫妻と出会う。
ここから、一気にコメディ風になり脱力するのだ。
犯罪一味によってミッキーは騙されていた。
ゴルヴィー、助手として雇ったボブ、警報機屋のランディー、殺されたはずのフランク、ヴァイオリン職人(ボブ・バラバン)、駅のベンチで隣に座った男、そして色仕掛けでクレジットカードを盗んだ女、彼らは詐欺団だった。おまけに、一連の事件がミッキーの仕業と疑っている秘書のカーラに愛車を譲れと脅されるのだった。
こうして踏んだり蹴ったりで身ぐるみはがされたミッキーはウィスコンシンを去り、フロリダで言葉巧みに別荘販売のセールスマンに変身していた。
ところで、預金が底をついてカードで支払いができないくらいの金欠病の主人公から、詐欺一味はいくらせしめたんだろう。→人気ブログランキング
« ダーティハリー5 | トップページ | 新約聖書 ~イエスと二人のマリア~ »
「コメディ」カテゴリの記事
- リトル・チルドレン(2021.01.02)
- 幸せをつかむ歌(2017.04.20)
- フィッターXの異常な愛情 蛭田亜紗子(2015.06.15)
- 『ジャッジ!』(2015.02.28)
- 8月の家族たち(2014.10.16)
「サスペンス」カテゴリの記事
- 逃げるアヒル ポーラ・ゴズリング(2020.09.17)
- 新訳 アンドロメダ病原体 マイクル・クライトン(2020.08.05)
- パーキング・エリア テイラー・アダムス(2020.07.15)
- あの本は読まれているか ラーラ・プレスコット(2020.06.02)
- ガットショット・ストレート ルー・バーニー(2020.03.30)
コメント