あの日、欲望の大地で
本作が、映画初出演のジェニファー・ロレンスはキラキラ光っている。監督はメルリ・ストリープの再来と評価したそうだ。数々の賞を受賞し、優雅に美しく光り輝いているメルリ・ストリープは、女優の誰もが目標とする憧れの女優だと思う。17歳のジェニファー・ロレンスには監督が評価するような大女優の片鱗が垣間見える。
それに対抗するシャーリーズ・セロンの百戦錬磨の渋い演技もいい。セロンは製作総指揮に名を連ねている。
北の都市と南の町、白人とラテン系の対立軸と、現在と過去の時制で、ストーリーが進んでいく。
あの日、欲望の大地で The Burning Plain 監督:ギジェルモ・アリアガ 脚本:ギジェルモ・アリアガ 音楽:ハンス・ジマー アメリカ 2008年 106分 |
レストランのシェフのシルヴィア(シャーリーズ・セロン)は、妻子ある同僚と関係を持ち、客の誘いに簡単に乗ってしまう尻の軽い女。自傷行為にふけるシルヴィアはなぜ刹那的な生き方をするのか。
話は12年前にさかのぼり、舞台はメキシコに近い田舎町。
町から少し離れたところにあったトレーラーハウスで火事が起こり、中にいた中年の男女が抱き合ったまま焼死した。ふたりを離すためにナイフが必要だったと、町の人々は蔑みを持ってこの事件を語った。
焼死した女ジーナ(キム・ベイシンガー)の娘マリアーナ(ジェニファー・ローレンス)は、少し前から母の行動に疑いをもち、母の電話に聞き耳を立てたり、尾行をしたり、母を問い詰めたりしていた。そして、ある日トレーラーハウスでの逢引の現場を目の当たりにする。マリアーナは母になんとか男との付き合いを止めさせようとしたのだった。それがいき過ぎて裏目に出る。
焼死事件のあと、不倫相手の男の次男サンティアゴ(ダニー・ピノ)とマリアーナは接近しやがて結ばれる。ふたりの関係を残された家族たちの知るところとなり、マリアーナとサンジェゴは町から出ていかざるを得ない。困ったことにマリアーナは妊娠していた。
話は現在に戻り、ある日、サンティアゴと兄カルロスと娘のマリアの三人は、飛行機で農薬の散布の仕事を請け負う。サンティアゴが飛行機で散布し始めるとすぐに墜落してしまい、重症を負う。
デート中のいざこざで、シルヴィアは車から雨の中に飛び出していく。ずぶ濡れのシルヴィアに声をかけたのは、ここ数日彼女をストーカーのように見張っていたサンジェゴの兄カルロスだった。カルロスは、シルヴィアの娘マリアが遭いたがっていること、サンティアゴが飛行機事故で入院していることを伝える。シルヴィアはうろたえ、その場から逃げ出してしまう。
しかし、落ち着きを取り戻したシルヴィアことマリアーナは、現実を正面から受け止めようと、マリアに遭いサンティアゴの入院している病院に向かうのだった。→人気ブログランキング
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【ジェニファー・ロレンス出演作品】
『アメリカン・ハッスル』13年
『世界でひとつのプレイブック』12年
『ウィンターズ・ボーン』10年
『あの日、欲望の大地で』08年
【シャーリーズ・セロン出演作品】
『プロメテウス』12年
『ヤング≒アダルト』11年
『あの日、欲望の大地で』08年
『告発のとき』07年
『スタンドアップ』05年
『モンスター』03年
『ミニミニ大作戦』03年
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