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『ヒステリア』

ヒステリア [DVD]
ヒステリア [DVD]
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Hysteria
監督:ターニャ・ウェクスラー
脚本:スティーヴン・ダイア
音楽:ガスト・ワルツィング
英・仏・独・ルクセンブルク  2011年  100分  ★★★★

ヴィクトリア王朝時代の1890年、ロンドン。
イザベラ・バードやバージニア・ウルフなどのタフな女性たちが、女性の地位向上に目覚めた頃。
本作は女性用電動バイブレーター開発の実話に基づいた物語である。ちょっと引きそうなテーマだが、女性監督の手によるのでどきつさはない。旧弊に縛られた女性の自立や社会進出がテーマとなっているラブコメディで、見応えのある作品である。

当時は、貞淑で従順で一日中家事に従事していることが、女性のあるべき姿とされていた。精神的に不安定、うつ、感情が過敏、不感症や異常な性欲があるという女性特有の症状のヒステリーを、街の半分の女性たちが罹っている状況。

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婦人科の権威ダリンプル医師(ジョナサン・プライス)は、そのヒステリーに対するマッサージ療法で治療効果をあげていた。患者は上流階級の女性たち。その彼の診療所に若いグランビル医師(ヒュー・ダンシー)が雇われ、腕のいいグランビルには多くの患者が押し寄せてくるようになる。

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彼はダリンプルの次女(フェリシティ・ジョーンズ)との婚約が許され、ゆくゆくは診療所の跡継ぎをと目されるようになった。

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一方、旧弊に縛られることを嫌う長女のシャーロット(マギー・ギレンホール)は貧しい労働者のための施設を運営し、その資金繰りに悪戦苦闘していた。父娘は口論が耐えず、ダリンプルはシャーロットを重症のヒステリーと診断していた。そんななか資金が底をついた彼女は、父の友人から200ポンドを融資してもらう。
彼女は父やグランビルが行ってることが、治療とは名ばかりのものであると批判していた。

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やがて、グランビルは激務により腕に力が入らなくなり、患者からの不満を募り、ついには診療所を解雇されてしまう。
しかし、発明家のスマイス卿とともに電動マッサージ機を開発し、ダリンプル家の家政婦モリーの協力を得て人体実験に成功し、再びダリンプルの信頼をうるのだった。

やがて、グランビルと次女との婚約の会が開かれ、借金を返していないシャーロットは、駆けつけた警官を殴って逮捕されてしまう。

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検察はシャーロットに対し、借金の未返済、娼婦のモリーを家政婦として斡旋したこと、警官に対する暴行、女性参政権運動での逮捕歴から、重症のヒステリーであり精神病院への収容と子宮摘出を求刑した。
ところが証人として証言台に立ったグランビルは検察の意に反し、そもそもヒステリーという病気は存在しないと証言した。
かくして、シャーロットは最悪の事態をまぬがれ、4ヶ月の刑務所入りとなる。

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シャーロットの刑期中にグランビルは携帯電動マッサージ機の特許で巨額の財産を手にし、彼女が出所するクリスマスイブの日、彼女に求婚するのだった。

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ショパンの「華麗なる大円舞曲」のメロディにのってクレジットが流れるなか、「電動マッサージ機の歴史」が字幕に現れる。スマイス卿とグランビルが開発した携帯電動マッサージ機は『ジョリー・モリー』と名付けられた。→ブログランキングへ

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1888年 グランビル・ハンマー
1902年 ハミルトンタイプA
1904年 バーカー・ユニバーサル
1910年 ホワイトクロス・エレクトリック
1916年 シルク・エレクトリック
1918年 シアーズ・ローバックのカタログ
1921年 ポーラー・カブ
1933年 ギルバート
1950年 シック・グロリフィア
1970年 ザ・ファー
1970年代 ウォール
1970年代 日立マジックワンド
1980年代 ラビット
1990年代 ポケットロケット
現在  アイラブマイダッキー

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