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オモロマンティック・ボム! 川上未映子

同名のコラムを、『週刊新潮』でみかけたとき、何げないことをさりげなく書いているのに深いなと思った。こうしてまとまったのを読むと、著者の独創性がみえて、未映子ワールドが魅力的だと再認識した。
Photo_20201120123901オモロマンティック・ボム!
川上未映子(Kawakami Mieko
新潮文庫 2012年 

日常の話題を、力の入ってなさそうな語り口で、ぐんぐん広げていき、テーマのの本質の周辺にたどり着いてしまう。著者の独特な見方は決して定石通りの捉え方ではないから、そんな見方もあったかと感心させられる。また低血圧で脱力的、力強くないところが読み手には心地いい、かといってネガティブでない。あまり力を入れず物事をポジティヴに捉える思考手順がいい。

『オモロマンティック・ボム!』は『週刊新潮』のコラムとして、はじめは1年という期限付き始まったという。それが延長になるとき、著者は担当者に「こんなんでいいんですかね」と質したという。『週刊新潮』にすれば、著者の異質の才能は、余人に代え難いものがあると判断したと思う。1年で打ち切るなんてことはあり得ないことだっただろう。まあ、使い古された言葉でいえば荒削りだけれど奥が深く光るものがある感じです。

哲学の匂いやスピリチャルの匂い、どちらも強引さが特徴であるから、少しアナーキーなニュアンスもあって、さらにフェミニンであり若干ノスタルジックでありピュア、そんなことをすべて含めて、魅力的なエッセイ集です。→人気ブログランキング

大阪弁の独創的な文体で、シュールでアナーキーなストーリーが展開される。第137回芥川賞候補(2007年)になった。→ブログランキングへ

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【川上未映子の作品】
〈小説〉
『愛の夢とか』(2013年 講談社)
『すべて真夜中の恋人たち』(2011年 講談社)
『ヘヴン』(2009年 講談社)→講談社文庫 
乳と卵』(2008年 文藝春秋)→文春文庫
わたくし率 イン 歯ー、または世界』(2007年 講談社)→講談社文庫
〈随筆・対談集〉
『安心毛布』(2013年 中央公論新社)
『人生が用意するもの』(2012年 新潮社)
『魔法飛行』(2012年 中央公論新社)
『ぜんぶの後に残るもの』(2011年 新潮社)
『発光地帯』(2011年 中央公論新社)→中公文庫
『夏の入り口、模様の出口』(2010年 新潮社)→『オモロマンティック、ボム!』と改題(新潮社文庫)
六つの星星 対話集』(2010年 文藝春秋)→文春文庫
『世界クッキー』(2009年 文藝春秋)→文春文庫 
そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(2006年 ヒヨコ舎)→講談社文庫 
〈詩集〉
『水瓶』(2012年 青土社)
『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』 (2008年 青土社)

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