« ラーメンガール | トップページ | 『ソクラテスの弁明 関西弁訳』 プラトン 井口裕康訳 »

『オモロマンティック・ボム!』川上未映子

オモロマンティック・ボム! (新潮文庫)

 

 

 

川上未映子(Kawakami Mieko
2012年  ★★★★★

 

 

 

同名のコラムを、『週刊新潮』でみかけたとき、何げないことをさりげなく書いているのに深いなと思った。こうしてまとまったのを読むと、著者の独創性がみえて、未映子ワールドって魅力的だと再認識した。

 

日常の話題を、力の入ってなさそうな語り口で、ぐんぐん広げていき、テーマのの本質の周辺にたどり着いてしまう。著者の独特な見方は決して定石通りの捉え方ではないから、そんな見方もあったかと感心させられる。また低血圧で脱力的、力強くないところが読み手には心地いい、かといってネガティブでない。あまり力を入れず物事をポジティヴに捉える思考手順がいい。

 

『オモロマンティック・ボム!』は『週刊新潮』のコラムとして、はじめは1年という期限付き始まったという。それが延長になるとき、著者は担当者に「こんなんでいいんですかね」と質したという。『週刊新潮』にすれば、著者の異質の才能は、余人に代え難いものがあると判断したと思う。1年で打ち切るなんてことはあり得ないことだっただろう。まあ、使い古された言葉でいえば荒削りだけれど奥が深く光るものがある感じです。

 

哲学の匂いやスピリチャルの匂い、どちらも強引さが特徴であるから、少しアナーキーなニュアンスもあって、さらにフェミニンであり若干ノスタルジックでありピュア、そんなことをすべて含めて、魅力的なエッセイ集です。

 

« ラーメンガール | トップページ | 『ソクラテスの弁明 関西弁訳』 プラトン 井口裕康訳 »

エッセイ」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『オモロマンティック・ボム!』川上未映子:

« ラーメンガール | トップページ | 『ソクラテスの弁明 関西弁訳』 プラトン 井口裕康訳 »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ