『クッキー・フォーチュン』
クッキー・フォーチュン [DVD] Cookie's Fortuneposted with amazlet at 14.02.01 監督:ロバート・アルトマン 脚本:アン・ラップ 音楽:デヴィッド・A・スチュワート アメリカ 1999年 118分 ★★★★★ |
老女の自殺を姪が細工をして他殺を装った。その結果、静かな田舎町にはてんやわんやの騒動が起こる。モザイクのように話が緻密に絡み合っていて、ロバート・アルトマン監督らしい皮肉がたっぷり込められたコメディ。ほのぼのとした印象が残るのは、南部のおおらかさが表現されているからだ。物悲しくて暖かみがあり、どこか間が抜けたスティールギターの音色にぴったりのストーリーが展開される。
現在、日本中で大はやりの、AKB48が歌って踊る「恋するフォーチュンクッキー」とは何の関係もない。
ミシシッピーの田舎町に住む年老いたクッキー(パトリシア・ニール)は、ギャンブラーの夫に先立たれ、大きな家で失意の日々を送っていた。そんなクッキーを黒人のウィリス(チャールズ・S・ダットン)が面倒をみていた。
ある日、クッキーが銃で自殺する。
第一発見者は妹のコーラ(ジュリアン・ムーア)とともにクッキーの家を訪れた姪のカミール(グレン・クローズ)だった。敬虔なキリスト教徒のカミールは、「親族から自殺者は出せない」という理由で、自殺を隠蔽しようと宝石をバッグに詰め枕元の遺書を食べてしまい、銃を庭に捨てて他殺に細工をした。カミールはコーラに口外しないことを約束させ警察を呼ぶ。この口止めが後でカミールを窮地に追い込むことになる。
町の教会では、きたる感謝祭にカミールが演出を担当しコーラが主人公を演じ、多くの住人たちが出演する舞台劇の『サロメ』の稽古に余念がない。
一方、母親のコーラとの確執で都会に出ていたエマ(リヴ・タイラー)が町に舞い戻り、ナマズの処理場で働いている。エマは大好きなクッキーの死を知って悲しみにくれる。エマは気はいいけれどアッパラパーで、ナマズの臭いが染み込んだ愛車のおんぼろピックアップトラックを、路上駐車するたびに違反切符を切らている。
やがてウィリスがクッキー殺しの容疑者として逮捕されるが、警察官のなかには、釣り仲間のウィリスが犯人であるはずがないと、彼をかばう者もいる。ウィリスと仲が良いエマは拘置所に泊まり込み、夜になると保安官のジェイソンとあいびきをする。拘置所の中では、容疑者だというのに、隠し持っているウイスキーを飲んで、保安官たちとスクラブルに興じるという呑気ぶりである。
カミールはクッキーの財産を相続できると、コーラとともに立ち入り禁止のクッキーの家に潜り込み、家具を配置換えしたり、保安官の忠告を無視してやりたい放題に振る舞う。
都会からやって来たタッカー警部が捜査を開始し、ウィリスが立ち寄った酒場やリカーショップやなまず処理場で聞き込みを行うが、何しろ町の住人は呑気なものだからウィリスのアリバイはうやむや。
やがて、カミールが銃を捨てたところを見ていた少年の証言で、カミールに容疑がかかり『サロメ』の公演中に逮捕されてしまう。
カミールはクッキーが自殺だったと真実を述べるが、口うるさいカミールに辟易していたコーラは、口止めされたとおり知らんぷりをするのだった。窮地に立ったカミールを 、さらに不幸が襲う。。
そして、しばらくすると町は落ち着きを取り戻し、ウィリスと釣り仲間とエマは、川面に糸を垂れのんびりと釣りをするのだった。→ブログランキングへ
【ロバートアルトマン監督作品】
『今宵、フィッツジェラルド劇場で』A Prairie Home Companion (2006)
『バレエ・カンパニー』The Company (2003)
『ゴスフォード・パーク』Gosford Park (2001)
『Dr.Tと女たち』Dr T and the Women (2000)
『クッキー・フォーチュン』Cookie's Fortune (1999)
『相続人』The Gingerbread Man (1997)
『カンザス・シティ』Kansas City (1996)
『プレタポルテ』Prêt-à-Porter (1994)
『ショート・カッツ』Short Cuts (1994)
『ザ・プレイヤー』The Player (1992)
『ウエディング』A Wedding (1978)
『ビッグ・アメリカン』Buffalo Bill and the Indians, or Sitting Bull's History Lesson (1976)
『ナッシュビル』Nashville (1975)
『ロング・グッドバイ』The Long Goodbye (1973)
『M★A★S★H マッシュ』MASH (1970)