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とことん!とんかつ道 今柊ニ

とんかつは料理法がそう難しくないから、まだ敗戦の名残がそこかしこで感じられる昭和の頃にも、家庭の食卓に上がった。揚げたかつにポテトサラダを添えれば、豪華メニューであった。何しろあの頃は、肉を食べることが大イベントだった。
そんなとんかつは今もご馳走の部類に入っている。
4a46e5f52042494295059ea47c37dd6dとことん!とんかつ道
今 柊二(Kon Toji
中公新書ラクレ
2014年

とんかつを俎上に上げれば、まず肉はロースがいいかフィレがいいかが問題になる。

次は肉の厚み、厚いのがいいのか肉叩き器で伸ばしたのがいいのか。筋を切って食べやすく処理したのがいいのか。一口サイズがいいか。
パン粉はキメが細かいのか粗いのか、生パン粉はどうか。
油は、サラダ油だけかラードを混ぜるか、ラードの分量を多くするか、最近流行りのカロリー控えめか。
添え物は、千切りキャベツがいいか、ポテトサラダはどうか。レモンは添えるか。
とんかつソースかウスターソースか味噌入りソースか。辛子は添えるか、添えるとすれば和か洋か。
みそ汁は赤だしか普通のみそか。みそ汁の中身はどうするか。
漬物はお新香か、白菜漬けか、キュウリ漬けか、キャベツ漬けか、などとどんどん広がっていって楽しい。

国民的な人気の食べ物の本には、せめて県庁所在地の代表店を載せたいところだ。そこまでいかなくとも、首都圏だけでなく地方の店をある程度カバーするのがお約束なのだが、本書は網羅度が低いのが少し残念だ。

話はそれるが、およそパン粉をつけてあげたフライに属するおかずの面々は、ウスターソースをかければ美味しくいただける。フライの味にやや難がある場合でも、ソースをドバドバと多めにかければ、何とかなるものだ。

第4章では、とんかつ発展史としてとんかつ誕生からの簡単な歴史が書いてある。
東京でとんかつ店を探すときに大いに役立ちそうな一冊。
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【食に関する本】
とことん!とんかつ道/今柊二/中公新書ラクレ/2014年
美食の世界地図
料理の最新潮流を訪ねて
/山本益博/竹書房新書/2014年
クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力/にむらじゅんこ/平凡社 新書/2012年
冬うどん 料理人季蔵捕物控/和田はつ子/ハルキ文庫 2012年
ラーメンと愛国/速水健朗/講談社現代新書/2011年
世界ぐるっと肉食紀行/西川治/新潮文庫/2011年
高級ショコラのすべて小椋三嘉/PHP新書/2010年
チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石/武田尚子/中公新書/2010年
グルメの嘘/友里征耶/新潮新書/2009年
吉田類の酒場放浪記/TBSサービス/2009年
古きよきアメリカン・スイーツ/岡部史/平凡社新書/2004年
食べるアメリカ人/加藤 裕子 /大修館書店/2003年
至福のすし「すきやばし次郎」の職人芸術/山本益博/新潮新書/2003年
フグが食いたい!―死ぬほどうまい至福の食べ方/塩田丸男/講談社プラスアルファ新書/2003年
カラ-完全版 日本食材百科事典/講談社プラスα文庫/1999年
インスタントラーメン読本/嵐山光三郎/新潮文庫/1985年
アメリカの食卓/本間千枝子/文春文庫/1984年

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