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2014年4月14日 (月)

フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 速水健朗

著者は、『ラーメンと愛国』(20011年)で、ラーメンと日本文化について革新的な検証を行った。本書は、毎日繰り返される食と普段は遠いところにあると思われがちな政治とを、斬新な視点で結びつけた画期的な社会学のテキストである。
Image_20210123120501フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人
速水健朗(Hayami Kenrou
朝日新書
2013年

フード左翼とは、野菜中心の低カロリーな健康食を嗜好し、安全のためにお金をかけることを厭わない人たちのことである。地産地消の地域主義で健康思考の側に立つ人たちをフード左翼と呼ぶ。
一方、フード右翼とは、安全や健康を度外視して安さと量を求める。結果として、メガ盛りを好みカロリオーバーの品目を愛する人たちである。ベジタリアンは左翼、ジロリアンは右翼ということになる。
フード右翼とフード左翼の対立軸のひとつは、競争原理が持ち込まれる大量生産・大量消費を選ぶか、大量生産を批判し食の安全性を追求するかである。

アメリカの低所得者に対して食料配給クーポン制度が行われているが、このフードスタンプを利用する負け組が購入するのは、低価格で高カロリーな食品である。アメリカのあとを追いかける日本が、同じ図式に向かっていることは否めないが、日本の場合は必ずしも単純ではないという。

例えば、食の安全を語ることで原発の賛否のスタンスが問われる。その論争は家庭内でも起こりうると指摘する。
また、右翼から左翼になり得ても、左翼から右翼にはなり得ないという。実際、著者は本書の執筆中にフード右翼からフード左翼にスタンスを変えたという。→人気ブログランキング

【食に関する本】
とことん!とんかつ道/今柊二/中公新書ラクレ/2014年
美食の世界地図  料理の最新潮流を訪ねて/山本益博/竹書房新書/2014年
フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人/速水健朗/朝日新書/2013年
クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力/にむらじゅんこ/平凡社  新書/2012年
冬うどん 料理人季蔵捕物控/和田はつ子/ハルキ文庫  2012年
ラーメンと愛国/速水健朗/講談社現代新書/2011年
世界ぐるっと肉食紀行/西川治/新潮文庫/2011年
高級ショコラのすべて小椋三嘉/PHP新書/2010年
チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石/武田尚子/中公新書/2010年
グルメの嘘/友里征耶/新潮新書/2009年
吉田類の酒場放浪記/TBSサービス/2009年
古きよきアメリカン・スイーツ/岡部史/平凡社新書/2004年
食べるアメリカ人/加藤  裕子  /大修館書店/2003年
至福のすし「すきやばし次郎」の職人芸術/山本益博/新潮新書/2003年
フグが食いたい!―死ぬほどうまい至福の食べ方/塩田丸男/講談社プラスアルファ新書/2003年
カラ-完全版  日本食材百科事典/講談社プラスα文庫/1999年
インスタントラーメン読本/嵐山光三郎/新潮文庫/1985年
アメリカの食卓/本間千枝子/文春文庫/1984年

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