語りあかそう ナンシー関
対談集『無差別級』『超弩級』『超高校級』(いずれも河出書房から出版されたペーパーバック)に収録されたものから、9つの対談がピックアップされている。
どのような形であれ、ナンシー関連本がときどき出版されるのは、ファンとしては、彼女の爽やかな天才的毒舌にあらためて触れることができて嬉しい。
9編のなかでも、with 林真理子『吉川十和子の婚約騒動では膝抜けるほど打っちゃった』は、両者がっぷり四つの丁々発止ぶりが抜群に面白い。
語りあかそう ナンシー関 河出書房文庫 2014年 208頁 |
消しゴム版画、キレのある文章、ナンシー関という人をなめたペンネーム、ナンシーに関する三つの秘密について、次のように書かれている。
棟方志功の出身地というお国柄もあって、ナンシーが通う高校の授業には、版画が取り入れられていた。そんな風土だから、クラスで消しゴムスタンプが流行ったことがあって、ナンシーは断然うまかったという。
ナンシーの書く文章は、本人の分析によれば、テープに録音してなども聞き直した、オールナイトニッポンのビートたけしのしゃべりが、影響しているという。
ナンシー関というペンネームは、本名の関直美から、いとうせいこうがつけたもの。消しゴム版画家って変なのに、ナンシーという名前で、もっと変にしたいと思ったからつけたとのこと。
このあたりのことは、『評伝 ナンシー関』(横田増生著 朝日新聞出版 2012年)に、詳しく書かれている。→→人気ブログランキング
ナンシー関の耳大全 77/武田砂鉄編/朝日文庫/2018年
語りあかそう/ナンシー関/河出書房文庫/2014年
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