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2014年6月17日 (火)

バルテュス展@東京都美術館

6月○日(日)

東京都美術館のチケット売り場には長蛇の列ができていた。展覧会場は前に進みづらいくらい混み合っていたものの、冷房が効いていたのは救いだった。

まず、バルテュスは、ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめたと紹介される。
作品は、バルテュス(1908年~2001年 本名:バルタザール・ミシェル・クロソウスキー・ド・ローラ )の生涯をなぞるように並べられている。
バルテュスは、11歳の時に、少年と猫との物語を40枚の絵に描いた。作品は『MITSU』というタイトルで出版され、紹介文を当時バルテュスの母親と付き合っていたリルケが書いたという。バルテュスは猫好き。タイトルのMITSU は猫の名前で、少年の頃から日本に関心があったという。

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次に展示されていたのは、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』の14枚の挿絵。この挿絵にはバルテュスの特徴が出ている。人間を奇妙なバランスの姿勢で描いていることである。

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バルテュスの人物画の特徴は、人物に不自然な力が入っていてそれが緊張感を生み出しているところである。そのほか人物を極端に右に配したり、光を意識して構成しているところであると言われている。ときにポルノまがいのテーマを選んでいる点も特徴である。
バルテュスは、当時ヨーロッパを席巻していたシュルレアリスムと一線を画し独自の世界を広げた。

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バルテュスの代表作のひとつ、少女が椅子でまどろむ姿を描いた『夢見るテレーズ』は、ゆったりとくつろいだ姿勢であるにもかかわらず、どこか落ち着かない。両手を頭の上で組み肘を広げ、片方の脚の膝を曲げ、めくれたスカートからは下着が見えている。落ち着かないのは、視線が下着にいってしまうせいだ。この絵はエロティックであり、気の利いた文章では「エロスを感じさせ」と表現しているが、活発そうな少女の、波瀾に富んだ未来がかいま見えるようである。
そばにいる猫がミルクを飲む音がぴちゃぴちゃ聞こえてきそうだ。

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幼少の頃から日本に興味を持っていたバルテュスは、1962年に日本を訪れたときに案内役の一人だった出田節子と出会い、バルテュスは積極的にアプローチし結婚に至ったという。彼女は当時上智大学フランス語学科の学生で20歳、バルテュスは51歳だった。バルテュスは結婚してから、墨絵や浮世絵の要素を取り入れた作品を手がけ、妻をモデルにした絵を何点か描いている。
『朱色の机と日本の女』は、妻をモデルにし、遠近法を無視して描いている。怪談ものの挿絵のようだ。

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