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2014年6月13日 (金)

世界ぐるっと肉食紀行 西川 治

肉を食べることは、ある意味でいかがわしいことであり、エロティックなことでもある。その反面、命をいただくことから、宗教的になったり哲学的であったりする。そうしたことをうっちゃって、本書の趣旨は肉食いの晴れやかさを追求することにある。
Photo_20201207074801世界ぐるっと肉食紀行
西川 治(Nishikawa Osamu
新潮文庫
2011年

カメラを担いで各国を巡る著者は、牛から始まって、豚、鶏それに七面鳥と食べる。
つぎは羊を食べて、内臓料理のあれこれにいって、ゲテモノたちを食べて、さらにジビエを追求して、著者の胃袋にはなんでも詰め込まれる。その健啖ぶりは賞賛に値する。

スペインでの件はこうだ。<たいていのスペインの男の子の夢は、サッカー選手になって、ハモンセラーノ(生ハム)を毎日、腹一杯食べられるような生活をすることらしい。>
大人になったら肉を腹一杯たべられるようになりたいというのが、子どもたちの夢だ。それは、昔も今も世界中どこでも変わらないと言いたいところだが、ハングリー精神が希薄になった日本ではどうだろう。

話は変わるが、もし、日本人が四つ脚動物をもっと早い時代からおおっぴらに食べていたら、基本的には「獲得形質は遺伝しない」とされるが、ダーウィンの自然淘汰の考えからすれば今より多少は体格ががっしりしたのではないだろうか。もともと持っている敏捷さに頑丈さが加わって、さぞやサッカー向きの人種になっていたんじゃないかと、W杯での日本の活躍を祈って、本書の趣旨と関係のないことを連想した。→人気ブログランキング 

【食に関する本】
とことん!とんかつ道/今柊二/中公新書ラクレ/2014年
美食の世界地図
料理の最新潮流を訪ねて
/山本益博/竹書房新書/2014年
クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力/にむらじゅんこ/平凡社新書/2012年
冬うどん 料理人季蔵捕物控/和田はつ子/ハルキ文庫/2012年
世界ぐるっと肉食紀行/西川治/新潮文庫/2011年
ラーメンと愛国/速水健朗/講談社現代新書/2011年
高級ショコラのすべて小椋三嘉/PHP新書/2010年
チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石/武田尚子/中公新書/2010年
グルメの嘘/友里征耶/新潮新書/2009年
吉田類の酒場放浪記/TBSサービス/2009年
古きよきアメリカン・スイーツ/岡部史/平凡社新書/2004年
食べるアメリカ人/加藤 裕子 /大修館書店/2003年
至福のすし「すきやばし次郎」の職人芸術/山本益博/新潮新書/2003年
フグが食いたい!―死ぬほどうまい至福の食べ方/塩田丸男/講談社プラスアルファ新書/2003年
カラ-完全版
日本食材百科事典
/講談社プラスα文庫/1999年
インスタントラーメン読本/嵐山光三郎/新潮文庫/1985年
アメリカの食卓/本間千枝子/文春文庫/1984年

 

 

 

 

 

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