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2014年7月 2日 (水)

キャリー

出産の場面から始まる。
生まれた赤ん坊を血まみれの母親マーガレット・ホワイト(ジュリアン・ムーア)はハサミで刺し殺そうとするが、思いとどまる。
原作(『キャリー』新潮文庫)によれば、〈マーガレットは、妊娠5カ月ごろから、女性性器の癌にかかっていて間もなく天国にいる夫の後を追うものと信じ込んでいた。〉
夫とは精神的なつながりだけを望んでいた狂信的なキリスト教徒のマーガレットにとって、夫の無理やりの性交によって身ごもったキャリーは、生まれてきてはならない子供だったのだ。だから自分の色に染めようと、マーガレットは性的な情報を遮断してキャリーを育ててきた。「血まみれ」が本作のキーワードである。
Photo_20210119080801キャリーCarrie
監督:キンバリー・ピアース
脚本:ロバート・アギーレ=サカサ/ローレンス・D・コーエン
原作:スティーヴン・キング
音楽:マルコ・ベルトラミ
アメリカ 2013年 99分

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キャリー(クロエ・グレース・モレッツ)は、スクールカーストの最下層にいて、ずっといじめられてきた。キャサリンはそうした娘を信仰の力でかばおうとしてきた。
ある日、学校のシャワー室で初潮をむかえたキャリーはパニックに陥る。女生徒たちはキャリーに向かって生理用品を投げつけ、いじめの主犯格クリス(ポーシャ・ダブルデイ)は血まみれになって動揺するキャリーを携帯で撮影した。
担任の体育教師ジャルダン先生(ジュディ・グリア)が事態を収拾するが、この事件がこのあと尾を引いていくことになる。
キャリーはこの事件以降、自らに備わっている超能力を磨いていく。

ジャルダン先生は、キャリーをいじめた女生徒たちに、炎天下でのサーキット運動を科すが、クリスは教師の指示に従わないため、プラム(学校主催のパーティ)への参加を禁止される。
いじめっ子たちのキャリーに対する態度は、異なっていた。スー(ガブリエラ・ワイルド)は、自らはプラムに参加しないで恋人のトミーにキャリーのエスコート役を引き受けるよう頼むのだった。
一方、クリスはキャリーを逆恨みし、プラムの会場で彼女に豚の血を浴びせかける計画を思いつく。

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キャリーが肩を出したドレスを着て男と踊ることなど、マーガレットには許せないことである。キャリーのプラムへの参加を全力で阻止しようとする。しかし、キャリーは超能力を使ってマーガレットを懺悔室に閉じ込めて会場に向かうのだった。

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クリスの工作がまんまと成功し、クィーンに選ばれ壇上に上がったキャリーの頭上に、バケツ一杯のブタの血が降り注がれる。そしてついにキャリーの怒りが爆発し、超能力が大惨劇を招くのである。→人気ブログランキング

→『母は娘の人生を支配する』斎藤環(日本放送出版協会)

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