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2014年7月24日 (木)

アルツハイマー病が劇的に改善した! 米国医師が見つけたココナツオイ驚異の効能 メアリー・T・ニューポート

著者はアメリカの小児科医。
主夫として家事全般をこなしていた55歳の夫スティーブが、若年性のアルツハイマー病を患い、うつ病も併発した。
当時使われていた薬は病気の進行を食い止める程度の効果しかなかった。それならば、発売前の治験薬をイチかバチか試してみようと、治験薬の候補に応募するが、スティーブの病状が進みすぎていて参加資格を得ることができなかった。
Image_20201121104901アルツハイマー病が劇的に改善した! 米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能
メアリー・T・ニューポート(Mary T.Newport)
白澤卓二/日向やよい 訳
ソフトバンク クリエイティブ株式会社
2013年

模索するメアリーは、ネットでアルツハイマー病患者に改善がみられたとする、バイオテクノロジー企業アクセラが行った治験結果を見つけた。
その治験で使用された「MCT(中鎖脂肪酸)オイル」という物質はメアリーにとって馴染みのもの。新生児の栄養補給に使っていたものだ。この物質が「ココナツオイル」から抽出されることを知ったメアリーは、早速、近所の自然食品店でココナツオイルを買い求めた。
そしてココナツオイルを朝食のオートミールに混ぜスティーブに食べさせてみると、なんと4時間後には症状の改善がみられた。さらに翌日には治験を受けることができるレベルまで回復していた。
それならばと、毎日スプーン2杯のココナツオイルを飲ませ、2か月後には、外食ができるまでに回復したという。
その後メアリーは試行錯誤を繰り返し、スティーブにとってのココナツオイルとMCT(中鎖トリグリセリド)オイルの適切な量を、見つけ出していく。
なお、MCTオイルは、ボディービルダーたちが筋量を増やすために以前から服用している。さらに30年前に開発された未熟児の粉ミルクが開発され、それ以来すべての標準的な乳児用粉ミルクにMCTオイルが添加されているという。

ココナツオイルがアルツハイマー病性認知症に効果を発揮した機序はどのようなものか?
アルツハイマー病患者の脳のある領域の神経細胞はグルコースを利用できない。しかし神経細胞はグルコースの代わりにケトンをエネルギー源として利用できる。中鎖脂肪酸を含む食物を食べると一部が肝臓でケトンに分解され、ケトンが血液中に流れ出る。脳がこれをエネルギー源として使うことで症状が軽くなるというもの。

このあと、メアリーはNIH(国立衛生研究所)の代謝の専門家でありケトンの研究者であるリチャード・L・ビーチ医学博士に連絡を取り、リチャードと健常者の血中ケトン量の測定などの協力を仰いだ。巻末では、本書を書くことが出きたのは博士のおかげであると謝辞を述べている。

メアリーは2008年7月に、「アルツハイマー病の治療法があるのに誰もそれを知らないとしたら?」というレポートを発表した。
このレポートに対し、アメリカ全土から1000通以上ものココナツオイルの使用経験の報告や質問が届いたという。
本書の後半には「Q&A」が掲載されている。
例えば健常者が摂取したらどうなるか?予防になるか?犬の認知症に効くか?等に、丁寧に回答している。

では、その後のスティーブはどうなったかというと、2013年3月24日、40回目の結婚記念日にはレストランで食事ができるくらいになっていたという。→人気ブログランキング

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