『毛深い闇』園子温
世界的に高い評価を受けている、映画監督・園子温が描く女子高生が主人公の物語である。ミステリ、幻想小説、詩の要素が含まれている。
そんな平穏な愛知県豊中市に、女子高生が殺され角膜を剥がされるという不可解な事件が起こる。
切子の母親いずみは警察官として、この事件を担当することになる。
けがで視力を失っていた切子は、11歳のときに角膜移植術を受けて視力を取り戻している。その3カ月後に父親が交通事故で亡くなった。
不思議なインスピレーションが備わっている切子は、殺人事件の解決に関わろうとするが、いずみは切子を事件から遠ざけようとする。
しかし切子は別の殺人事件の発見者となってしまう。このあと物語は幻想的に展開する。
接続詞を極力使わない簡潔で詩的な文体により、スピード感があるストーリーが展開され、著者ならではの詩的な文体から鮮明な情景が浮かんできて、女子高生の生き生きとした躍動感のようなものを感じる。
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