希望の国
大地震による原発事故のあと、あたらしい環境に馴染むことができない老夫婦、新天地に移り住むもうすぐ子どもが生まれる若い夫婦、そして過去を断ち切り結婚して出発しようとする恋人同志、これら3組の男女を通して絶望と希望を描いた作品。
20××年、長島県大葉町(架空の町)を襲った大地震により、原子力発電所が事故を起こし、原発から半径20km圏内が警戒区域に指定された。
酪農業を営む小野泰彦(夏八木勲)は、東日本大震災のあと原発を抱える故郷に事故が起こるのではないかという不安をいだいていて、それが的中した形になった。
一家は泰彦と認知症の妻・智恵子(大谷直子)、洋一(村上淳)といずみ(神楽坂恵)の息子夫婦の4人暮らし。
家は警戒区域から外れたものの、道路を隔てた近所の鈴木家は避難の対象となった。
希望の国 監督:園子温 脚本:園子温 日本 2012年 133分 |
泰彦は、東日本大震災の行政の杜撰な対応に不信感を持っていて、息子夫婦を家から出るように説得する。
息子たちは引っ越すが、妊娠中のいずみは放射能恐怖症となってしまい、防御服にゴーグルを着けて町に出るようになり、引っ越した町で噂になる。
事故の状況は刻々と悪化していき、小野家の地域も警戒区域に指定されるが、泰彦は役場の職員や息子の説得に応じようとしない。
自衛隊の強制退去が迫る中、泰彦が退去に応じない理由は、先祖代々住み続けてきた土地を離れることができない、認知症の智恵子に慣れない避難生活を送らせたくないであった。
そして泰彦は殺処分を言い渡された牛たちを猟銃で射殺し、智恵子と心中する。
一方、鈴木家の息子ミツル(清水優)は、家族が津波に流されて行方不明なった恋人ヨーコ(梶原ひかり)にプロポーズし、ヨーコはそれを受け入れる。
そして、洋一といずみはより安全な場所に向かった。
扱ったテーマが難敵なのか、園子温らしいダイナミックさが見られない。→人気ブログランキング
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