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2014年12月25日 (木)

氷平線 桜木紫乃

オール讀物新人賞(2002年)を受賞した「雪虫」ほか5篇。
道東の厳しい気候のなかで、男女が織りなすねじた関係を描いている。
この後、著者が取り上げるテーマが本書に網羅されている。
Photo_20201106132801 氷平線 桜木紫乃
文春文庫
2012年(単行本2007年)

「雪虫」
達郎は両親が勧めるフィリピン女性を妻に向かえ酪農を継いだ。達郎は婿をとった高校の同級生の四季子と寄りを戻した。四季ちゃんは、ひとの奥さんなんだからねと母親に釘を刺されても、龍郎は止ようとは思わない。
「霧繭」
真紀は和裁師として土地の呉服問屋の仕事を請け負うようになった。真紀はかつて問屋の専務と深い仲だった。専務と関係があった問屋の女将との微妙な立場となる。
「夏の稜線」
東京育ちの京子は酪農の研修先に嫁いだ。娘が生まれると姑の態度が一変した。姑から嫌味を言われない日はない。優しい夫から息子に変貌した夫には愛情が失せた。よそ者扱いされる京子は妬みと噂と中傷が飛び交う狭い世界で窒息しそうになる。
「海に帰る」
親方から床屋を引き継いだ男と水商売女との愛。
「水の棺」
女性歯科医は上司と別れて僻地の診療所に転職する。数年後、診療所は村人たちの全幅の信頼を得るようになる。一方、上司の評判は地に落ちていた。
「氷平線」
誠一郎は理不尽な父親から逃れるために、猛勉強をして東大に入り、財務省に入省する。税務署長として故郷に錦を飾り、房子と再開し深い関係になるが。→人気ブログランキング

緋の河/桜木紫乃/新潮社/2019年
ホテルローヤル/桜木紫乃/集英社/2013年(直木賞受賞作)
氷平線/桜木紫乃/文春文庫/2012年
硝子の葦/桜木紫乃/新潮社/2010年

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