« うそつきくらぶ メアリー・カー | トップページ | 氷平線 桜木紫乃 »

2014年12月15日 (月)

ずるずる、ラーメン

ラーメンに関するのエッセイ31作と漫画1作が収録されている。
筆者たちが、ラーメンに求めているのは、ジャンクさである。粗野で正統でないもの、悲哀や懐かしさを感じさせるもの。それゆえ、悲しいかな毒のような扱いをされることがあっても、決して栄養のバランスがいいとは論じられない食べ物が、ラーメンである。
それは、中華料理店のラーメンであろうと、ラーメン屋のラーメンであろうと、インスタントラーメンであろうと同じである。
Photo_20200814084501ずるずる、ラーメン (おいしい文藝)

河出書房新社
2014年

 

・「なんだ、コレハ」のラーメンを食べた話。「駅路地裏裏ラーメンの謎」椎名誠
・ついラーメン3杯を食べてしまった。「度を越す人」宮沢章夫
・なじみのラーメン屋の一時閉店の事情。「相撲とラーメン」川本三郎
・山形の冷やしラーメン。「はっこいラーメン」角田光代
・親父と水商売系の若い女がやっている店。「麗しの愛人ラーメン」池上永一
・旨い味噌ラーメンを出した札幌のラーメン屋が閉店。「幻のラーメン」吉村昭
・天下一品でこってりラーメンと唐揚げ定食をつい食べてしまう。「すべてはこってりのために」津島記久子
・花粉症の原因であるぶた草を探そうと自転車で出かけて、たどり着いたとんでもないラーメン屋。「悪魔のマダム」久住昌之
・天願屋でラーメンを食べる。「静謐なラーメン」町田康
・ラーメンを食べる女性が増えることを願う。「ラーメン女子の実態」島本理生
・外国での取材旅行から帰ったら、絶対ラーメン屋に直行する。「ソウルフードか、ラーメンか?」内澤旬子
・中国で仕事をする弟が日本に帰国したときに食べたがるのはラーメン。「ラーメン」内館牧子
・午後2時のラーメン屋にてラーメンが出てくるまで。「午後2時のラーメン屋」東海林さだお
・札幌のラーメンは帰るための儀式。村松友視
・酒を飲んだ後にラーメンを食べることは、死の欲動(タナトス)としての塩漬けになる、という御高説。「タナトスのラーメン」千葉雅也
・母親と食べた屋台のラーメンにはじまり、冷やし中華は安物にかぎると結ぶ。「屋台のラーメン」林静一
・高校の寮住まいのころの、ラーメン屋と焼肉屋の思い出。「仙台のラーメンとホルモン焼き」丸山健二
・タンメンと焼き餃子は大田区が発祥。「焼き餃子とタンメンの発見」片岡義男
・小津安二郎監督の話。「支那そば大会」池部良
・『にっぽんラーメン物語』に書かれている、日本で最初にラーメンを食べた人物が水戸光圀という説は根拠が希薄である。「日本ラーメン史の大問題」丸谷才一
・真夜中にインスタントラーメンを作って食べる話。「真夜中のラーメン」北杜夫
・日本のラーメン、ワンタンはさっぱり旨くないが、シュウマイはちらほらいいのができるようになった。「ラーメンワンタンシューマイヤーイ」開高健
・台湾で食べた絶品のラーメンと小籠包。「元盅土鷄麺という名のソバ」古波蔵保好
・ニンニクたっぷりのベトナムラーメンを食べさせる店で、エロ写真展を開いた話。「カルロ・パンティとベトナムラーメン」荒木経惟
・行きつけの店で、〆に食べたヨーグルト入りトルコ風ラーメン。「トルコ風ラーメン」馳周
・ラーメン大好き小池さんのお嫁さんが3食手料理を作ってくれるのはいいが、インスタントラーメンを食べたいと言い出せない小池さんの葛藤。「あこがれのラーメン」藤子・F・不二雄/藤子不二雄A
・サッポロ一番みそラーメン歴37年。「わが人生のサッポロ一番みそラーメン」森下典子
・試食したチキンラーメンに始まるインスタントラーメンとの付き合い。「ラーメン時代」曽野綾子
・ビルマでカップヌードルを食べた話。「仏陀のラーメン」沢木耕太郎
・カップラーメンは容器の形が絶妙で量もちょうどいいが、カップ焼きそばは多すぎて持て余すといったようなことが書かれている。「ラーメンに風情はあるか」吉本隆明
・カップラーメンの雲呑麺に書かれている「至福の一杯」という言葉に惹かれる。「最近の至福」江國香織
・節約してラーメンを食べるのは健康という高い代価を払うこと。「ラーメン」石垣りん→人気ブログランキング
にほんブログ村

アンソロジー そば/PARCO出版/2014年
アンソロジー カレーライス!!大盛り/杉田純子編/ちくま文庫/2018年
そばと私(文春文庫)
麺と日本人/角川文庫/2015年
アンソロジー 餃子/PARCO出版/2016年
アンソロジー ビール/PARCO出版/2014年
うなぎと日本人(角川文庫)
ずるずる、ラーメン(おいしい文藝)/河出書房新社/2014年
ぷくぷく、お肉(おいしい文藝)/河出書房新社/2014年
つやつや、ごはん(おいしい文藝)/河出書房新社/2014年
ぐつぐつ、お鍋(おいしい文藝)/河出書房新社/2014年

« うそつきくらぶ メアリー・カー | トップページ | 氷平線 桜木紫乃 »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

料理」カテゴリの記事

エッセイ」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ずるずる、ラーメン:

« うそつきくらぶ メアリー・カー | トップページ | 氷平線 桜木紫乃 »

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ