2014年

「99分、世界美食めぐり」

5人の美食ブロガーが、世界各地の星つきレストランをめぐるドキュメンタリー。主人公はレストランや作り手ではなく、あくまで食べ手のブロガーである。
有名ブロガーの食べることに対する考え方や、一流シェフたちの仕事へのこだわりが語られる。食ブロガー必見の映画

99分,世界美味めぐり [DVD]
原題:FOODIES
監督:トーマス・ジャクソン  シャーロット・ランデリウス  ヘンリック・ストッカレ
製作:スウェーデン 2014年  99分  ✳︎✳︎✳︎✳︎

スティーヴ・プロトニキ ブログ
音楽のレーベルの元オーナー。
インタビューで店に対し辛口のコメントを発するのは、料理の世界を変えてやるという野心を持っているからだと、大言壮語する。料理は芸術だと力説する。
ニューヨークを拠点にしている。シェフ泣かせの辛口ブロガー。

アンディ・ヘイラー  ブログ
コンピュータのソフトウェア開発で財をなした。ロンドン在住。
ミシュランの三ツ星レストラン109店すべてを食べ尽くした人物。
世界一のカレー料理を求めて、ムンバイの店を探索する。

アイステ・ミセヴィチューテ ブログ
エストニア出身。パリを本拠地にモデルとして活躍している。
日本では、菊乃井(京都)、寿司はせがわ(六本木)を紹介した。
料理を口にする彼女には、修行僧のような鋭利で静謐な雰囲気が漂う。

パーム・パイタヤワット ブログ
シェークスピアを研究しているという。タイのぼんぼん。
ハーフパンツで軽やかに動き回り、日食生活を十分に堪能している感じがする。
食への説得力は今ひとつだ。

ケイティ・ケイコ・タム ブログ
普通のOLと紹介されている。
香港で両親と暮らしていて、自分の給料だけでやっているという。
ニューヨークでは、タイトなスケデュールで1日に複数の店を回る。厨房の中を案内されVIP扱いにご満悦のようである。まだ美食生活に慣れていない様子。

登場するレストランは以下の29店舗、✳︎はミシュランの格付け。

マエモ(オスロ)✳︎✳︎、 ピエール・ガニェール(パリ)✳︎✳︎✳︎、フェ―ヴィケン(エステルスンド スウェーデン)、41°(バルセロナ)、アルサック(サンセバスチャン)✳︎✳︎✳︎、ノーマ(コペンハーゲン)✳︎✳︎、ゼラニウム(コペンハーゲン)✳︎✳︎、イレヴン・マディソン・パーク(ニューヨーク)✳︎✳︎、鮨さいとう(東京)✳︎✳︎✳︎、都寿司(東京)、神保町 傳(東京)✳︎✳︎、菊乃井(京都)✳︎✳︎✳︎、フロコンド・セル(ムジューヴ)✳︎✳︎✳︎、響○軒(マカオ)、アンバー(香港)✳︎✳︎、ボー・イノベーション(香港)✳︎✳︎、龍井草堂(中国 杭州)、ヘドネ(ロンドン)✳︎、サチュルヌ(パリ)、ジヤ(ムンバイ)、シェリー・ターカル・ボージナーラヤ(ムンバイ)、ボラン(バンコク)、ダニエル(ニューヨーク)✳︎✳︎、バー・セ(ニューヨーク)✳︎✳︎✳︎、ル・バーナディン(ニューヨーク)✳︎✳︎✳︎、マレア(ニューヨーク)✳︎✳︎、モモフク・コー(ニューヨーク)、ムガリッツ(サンセバスチャン)✳︎✳︎、 マルティン・ベラサテギ(サンセバスチャン)✳︎✳︎✳︎

食ブロガーに対して、店側の本音は宣伝になるから取り上げて欲しい、ただし悪評は書いては困るという単純なもの。
店は有名ブロガーに対してその影響力を恐れ、他の客とは別格の扱いをすることになる。無料での料理の提供や厨房の中を案内したり、シェフにインタービューしたりする特権が与えられる。そうした扱いを、拒否しようとするブロガーもいれば、受け入れるブロガーもいるだろう。そのあたりのことは、『グルメの嘘』(友里征耶 新潮新書)に詳しい。

最後に、登場したフーディーズたちの体型であるが、3人の若者たちは問題ないが、ふたりの中年男の二重顎とだぶついた腰回りは、複数の生活習慣病を抱えていそうだ。今や、美食家が肥っているというのは説得力に欠ける。→人気ブログランキング

99分、世界美食めぐり』DVD  2014年
美食の世界地図 料理の最新潮流を訪ねて』山本益博  竹書房新書 2014年
二郎は鮨の夢を見る』DVD
エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』DVD  2011年
グルメの嘘』友里征耶  新潮新書 2009年

『紙の月』

かつて、日本で三大銀行詐欺横領事件が起こった。
三大事件とは、滋賀銀行事件(1973年、9億円)、足利銀行事件(1975年、2億1000万円)、三和銀行事件(1981年、1億8000万円)。
いずれも女性銀行員が横領した金を男に貢ぐという、本作と同じパターンである。
原作は角田光代の同名小説。主演の宮沢りえは、第38回日本アカデミー賞(2015年2月)の主演女優賞を受賞した。

紙の月 DVD スタンダード・エディション
紙の月DVD
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Pale Moon 
監督:吉田大八 
脚本:早船歌江子
原作:『紙の月』角田光代 
2014年  日本 126分 ★★★★

1994年、梅澤梨花(宮沢りえ)はパートから契約社員に昇格した。
美人だから上司の覚えがいい。窓口係(大島優子)から、服装や装飾品が派手になると目をつけられると教えられる。
ベテラン事務員(小林聡美)は、ルール違反やミスに厳しく目を光らせるお目付け役。

150611_2

梨花には子供がおらず、夫(田辺誠一)と平凡で穏やかな日々を送っているが、心は満たされていない。
独居老人の家で顔を合わせた孫の大学生・光太(池松壮亮)と、梨花は関係をもってしまう。
化粧品を買ったところ持ち合わせの金額が足りず、梨花は客からの預かり金を借用する。
銀行に戻って、自分の口座から1万円を引き出し元に戻した。これが引き金だった。

梨花は、学費を借金をしている光太に200万円を渡す。
銀行には顧客からの定期の申し込みがキャンセルになったと報告して、手にした200万である。
顧客には、ゴミ箱の証書を拾いアイロンをかけてシワを伸ばし、渡したのである。

そんな折、夫は上海へ転勤することになったが、梨花は同行しなかった。
やがて、家にコピー機を持ち込み、プリントゴッコで実印を偽造し、パソコンで架空の金融商品のチラシを作り、横領する額はエスカレートしていった。
こんなことが続くはずもない。ある日、お目付け役は書類の不備が頻発していることに不審を抱く。人気ブログランキングへ