アート鑑賞、超入門! 藤田令伊
美術展に行くと、音声ガイドを借りて、会場のセッションごとに掲げられているパネルの説明文をじっくり読むことにしている。説明文で美術展の意図と大まかな流れをつかみ、ガイドで作品のバックグラウンドを知る。
美術展の目玉の作品は時間をかけてじっくり見て、他は入場者の流れに身を委ね、順路に沿って展示室を巡り、すっかり美術展を制覇した気分になって、グッズ売り場にたどり着くというのが、いつものパターンであった。
本書に照らし合わせると私の鑑賞法は、お話にならないくらい、ダメ。
![]() 藤田令伊(Fujita Rei) 集英社新書 2015年 |
著者は、アートの「主体的」な鑑賞の方法をさまざまな観点からわかりやすく解説している。
たとえば、描かれていることを言葉で説明してみる(ディスクリプション)。
その作品を買うつもり(エア買い付け)で見る。
見たアートについて他人と話をしてみる。
知識があると先入観となって、そのままの心で見ることができにくくなる。知識は部下であると考える、意思決定はあくまで自分。
あえて肯定的に見たり否定的に見たりすると、多角的に見ることができる。
スキーマ(考え方のクセ)を崩せるかがポイント。スキーマを崩せば、新しい「気づき」が生まれる。
など、あくまで「主体的」にがテーマ。目から鱗のアート鑑賞法が紹介されている。→人気ブログランキング
『現代アート、超入門!』藤田令伊【2013.09.29】
『フェルメール 静けさの謎を解く』藤田令伊【2011.12.23】
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