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『考えることの科学』推論の認知心理学への招待 市川伸一

推論を扱う学問には、論理学、確率論、推測統計学、心理学などがあり、そのなかで心理学では、人間が実際にどのように推論するかについての知見や理論を提供しているという。
本書は、認知心理学がどのような学問であるか、どのような分野に活用されるかについて解説している入門書の位置づけらしい。
著者は、心理学ではお馴染みのクイズや著者が作ったクイズをいくつか挙げて、解答に至る推論の過程をあれこれ分析している。

心理学におけるヒューリスティックス(heuristic)とは、人間が問題解決のために推論し意思決定するさい、暗黙のうちに用いている簡便な解法や法則のことを指している。「うまいやり方」のことで「発見法」と訳される。
このヒューリスティックスは、人工知能の分野で活用される。
コンピュータを用いてアルゴリズムにもとづく計算をして正解にたどり着くが、膨大な量の計算が必要となる。ヒューリスティックスは、必ずしも正しい答えを導けるわけではないが、ある程度のレベルで正解に近い解答を得ることができる方法である。ヒューリスティックスでは、膨大な計算を行わなくとも済むわけだ。
融通のきかないコンピュータに人間のもつ柔軟な処理をさせることが目的である。

人間が推測するとき、知識や感情や他人などからのバイアスがかかり、合理的でない面が多くある。邪推が生まれるということだろう。それによって迷信、誤解、意見のすれ違い、個人的ないさかい、あるいは社会的な偏見が生まれ、ひいては国際紛争までも引き起こす。人間の推論のもつネガティブな面を認め明らかにする研究は、事態の改善につながるという。認知心理学はスケールの大きな学問である。→ブログランキングへ

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