ルーブル美術館展@国立新美術館
5月○日(SUN)
「どこへ行きますか?」
駅の制服を着た女性が声をかけてくれた。
「乃木坂です」
「乃木坂へは二回乗り換えが必要です。青山一丁目と表参道で乗り換えてください」
地下鉄大江戸線・汐留駅の地下鉄路線図に目をやりっぱなしのお上りさんを、見るに見かねたのだ。
汐留から乃木坂までは2回乗り換えても、30分だった。
入場券は、国立新美術館の建物に入る前の券売所で、太陽がジリジリ照りつける中、10分間並んで手にした。
美術展の入り口はすんなり入れたものの、音声ガイダンスを借りるところで、またもや長蛇の列ができていた。
さすがルーブル美術館と思わせる作品の数々だが、今回の目的は何をおいてもヨハネス・フェルメールの『天文学者』だ。
『天文学者』には、ことさらの人だかりができていた。
作品の前には、10センチほどの高さで幅1メートルくらいの台が置いてあって、なんぴとたりとも作品に50センチ以上近づけないようになっている。さらに、その台より1メートル離れてロープが張ってある。近寄って見たい人はロープと台の間を歩きながら見ることになり、じっくり見たい人はロープの外から前を横切る人のあいだから、作品を覗くように見ることになる。
係員が「立ち止まらないでください」と、しきりに注意を促している。
『天文学者』は、A3を一回り大きくしたほどのサイズ(実際は、51×45cm)で、思っていたより小さい。美術館特有の薄暗い照明なので、近寄って目を凝らして見ても、細かいところまでは見えないのが残念だ。しかし本物はにじみ出ているものが違う。オーラのようなものを感じた。
音声ガイダンスによれば、描かれている人物は長髪で日本の着物を羽織っている。
長髪も着物も当時の流行のファッションだそうだ。
モデルはフェルメールと同時代に活躍した科学者のアントニ・ファン・レーフェンフックだと言われている。レーフェンフックは顕微鏡を発明した人物である。
人物が手をかざしているのが天球儀である。
作品の中の壁に掲げられている絵には、天文学の祖と言われているモーゼが描かれている。
耳から入ってくる説明にうなづきながら作品に見入るのだが、なにせ人が多すぎてせわしなかった。
地下1階のカフェテリア カレ にて、ハッシュドビーフとアイスティで昼食を摂った。
ルーブル美術館展2015年2月21日(土)~6月1日(月)
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