闇の守り人 上橋菜穂子
『精霊の守り人』に続く「守り人シリーズ」の第2作目。
養い親ジグロはなぜ己の人生を捨ててまで、バルサを育てたのか?それを知るために、女用心棒バルサは25年ぶりに故郷のカンバル王国へ帰ることにした。
バルサが自らの過去と向き合う物語である。
闇の守り人 上橋菜穂子(Uehashi Nahoko) 新潮文庫 2007年 |
カンバル王国は新ヨゴ皇国の北に位置する国土のほとんどが山岳地帯の貧しい国である。バルサは25年前にジグロに手を引かれてくぐった洞窟を、再び通ってカンバル王国に入ることにした。
洞窟の中で、バルサは〈闇の守り人〉ヒュウルに襲われている少女に助けた。一緒にいた兄のカッサにはバルサとヒュウルの短槍の闘いが、まるで舞のように見えた。
王の主治医だったバルサの父親は、王の毒殺を弟のログサムに命じられ、実行せざるを得ない窮地に追い込まれた。失敗しても成功しても、自分もバルサの命もないことを父親は知っていた。
父親は友人のジグロに幼いバルサを託し、ジグロはバルサを連れて洞窟をくぐり抜け新ヨゴ皇国に逃げた。ジグロは、〈王の槍〉というカンバル最強の武人集団のひとりとして尊敬されていた。
そして父親は惨殺された。
王となったログサムは、ジグロを金の輪を盗んで逃げた犯罪者に仕立てあげ、ジグロを殺害することを氏族長たちに命じた。金の輪は9氏族と王家の絆を象徴する宝物であった。
バルサは施療院を営む叔母のユーカに会いにいく。
ユーカから、ジグロが重罪人とされていて、金の輪を取り戻しに向かった〈王の槍〉たちが次々とジグロ殺され、9人目のユグロが兄ジグロを倒し金の輪を取り戻したと偽って、英雄になっていた。バルサはあまりにも事実と異なる話に驚いた。
ユグロは嘘で塗り固められた過去が暴かれることを恐れ、バルサを殺害しようとする。
ユグロの王国の存続を危うくする陰謀を、長老は阻止しようと策を練っていた。長老のたっての願いで、はじめは固辞していたバルサはカッサの用心棒を引き受けるのだった。→人気ブログランキング
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