夢の守り人 上橋菜穂子
『守り人』シリーズ第3弾。
本作では、新ヨゴ皇国で当代最高の呪術師とされるトロガイ婆の過去が明らかにされる。
故郷のカンバル王国から新ヨゴ皇国に戻ってきたバルサは、青霧山脈の山中で、奴隷狩人に追われている歌い手の〈木霊の想い人〉ユグノを助けた。バルサはユグノの歌声に酔いしれ、タンダを喜ばせようとユグノを連れて家に向かう。
このユグノの歌声が人心を惑わし災い引き金になる。
夢の守り人 上橋菜穂子(Uehashi Nahoko) 新潮文庫 2008年 |
町には、眠り病のうわさが流れていた。
タンダの姪カヤが数日前から目がさめない。カヤは秋にはとなり村の男に嫁ぐことになっていて、望まぬ結婚に世を儚んでいる。
新ヨゴ皇国の第一皇子の母親一ノ妃は、第一皇子を亡くし生きる希望を失っていた。一ノ妃も眠ったまま目覚めない。
第一皇子が亡くなって、今や皇太子となったチャグムはいずれ帝になる。帝になりたくないチャグムも眠りに陥った。
〈花〉に誘われる魂は、今の生活に絶望し逃れたいと思っている魂なのだ。
姪を眠りからさます〈魂呼(たましいよ)ばい〉の術をしなくてはならないが、ひとつ間違えばタンダ自身が命が危ない。
しかし、〈魂呼ばい〉を試みて失敗したタンダは、あの世〈ナユグ〉で〈花番〉にさせられ、この世〈サグ〉で、人鬼と化してユグノを殺そうと襲いかかりバルサたちと闘った。
バルサやトロガイと、星読み師シュガや『精霊の守り他人』でバルサと闘った狩人たちが協力して、眠り病にかかったカヤ、一ノ妃、チャグムたちの魂を取り戻す闘いを繰り広げるのだった。→人気ブログランキング
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