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2015年7月 3日 (金)

精霊の守り人 上橋菜穂子

緻密で壮大なスケールの異世界ファンタジー「守り人シリーズ」の第1作目。
単槍使いの女用心棒バルサは、濁流に飲み込まれた新ヨゴ皇国の皇子チャグムを助けたことで、チャグムの用心棒として雇われる。
11歳のチャグムは体に〈ユグナ〉の精霊に卵を産みつけられたことで、帝の本当の子ではないとされ、命を狙われることとなった。こうして、バルサとチャグムは刺客と闘いながら旅を続けことになった。
Image_20201128160101精霊の守り人
上橋菜穂子(Uehashi Nahoko)
新潮文庫 2007年

なぜチャグムの体に卵が宿ったのか?
それは、二百数十年前、建国の祖であるトルガル帝が水の妖怪を退治した伝説が記された古書に解決の糸口があった。
100年に一度、水妖は人間に卵をうみつける。卵食いのラルンガに卵を奪われてしまえば、大旱魃に見舞われるのだ。
事の真相を知った帝は、生きたままチャグムを連れてくるよう命じた。

大旱魃を回避するには、チャグムが卵を産みラルンガの手の届かないところに卵を運んでしまうことだ。
バルサは、幼馴染みの薬草師タンダ、当代一の呪術師トロガイ婆さんなどの助けを借りて、チャグムと卵を守ろうとする。

本作は、目に見える世〈サグ〉と別の世〈ナユグ〉、ヨゴ人と先住民のヤグー、地上の民と水の民、卵と卵食いというふうに、二元対比の形で構成されている。ふたつが交差することで闘いや融和が起こりストーリーが展開される。→人気ブログランキング
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