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『伊賀忍法帖』山田風太郎

下克上の代名詞とされ、稀代の大悪人といわれる武将・松永弾正久秀を裏の主人公として登場させている。
摩訶不思議な忍術あり、勢力争いあり、悪党の淫靡な策略あり、純愛ありの忍者エンターテイメント。1964年に執筆された。
実在の名品「平蜘蛛茶釜」がこの物語の鍵を握る小道具である。
女の愛液を「平蜘蛛茶釜」で煮詰めて作った秘薬・淫石を、茶に混ぜて女に飲ませると、飲んだ直後に目にした男に対して女は肉欲の本能がむき出しとなるという。

伊賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(3) (講談社文庫)
伊賀忍法帖
posted with amazlet at 15.08.06
山田 風太郎(Yamada Huhtarou
講談社文庫 1999年

京都を支配する三好義興は強大な力をもつが、父が病床に伏している。
松永弾正は魔将のような男。
弾正は義興に仕える身ながら、義興の妻・右京太夫を自分のものにしようと企んでいる。さらに義興に反旗を翻す機会を狙っている。
弾正の家来には、幻術師果心居士の愛弟子である7人の忍法僧がいて、忍法僧たちは右京太夫に淫石茶を飲ませることを弾正に進言した。
弾正の支配下にある柳生の庄の主・柳生新左衛門は、表向き弾正を立てているが、悪行を許しがたいと思っている。

修行に出た伊賀の忍者・主人公の笛吹城太郎は遊女・篝火と恋に落ち夫婦の契を交わした。
篝火に忍法を会得させ、伊賀の里に帰ってきたのだが、伊賀の掟は他者を排除する勁列なもの。
忍法僧によってさらわれた篝火は、弾正の愛妾・漁火と「忍法壊れ甕」によって、上半身と下半身が入れ替えられ、篝火の顔に漁火のからだをもつようになった漁火は、弾正を凌駕するような魔女になる。

篝火を失った城太郎は忍法僧すべてを倒さなければ、伊賀の里に戻ることが許されないのだった。

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