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『吉原手引草』松井今朝子

吉原で10年にひとりと謳われた花魁が、身受けが決まっていたが、忽然と姿を消した。そんな不祥事にもかかわらず、妓楼は潰れずにすんだ。
3か月たって事件が風化しかけた頃、若い男が吉原に現れ事件を調べはじめる。
第137回(2007年上半期)直木賞受賞作。歌舞伎や江戸風俗に精通する著者ならではの作品を、大方の選考委員が絶賛したという。

吉原手引草

吉原手引草

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松井今朝子(Matsui Kesako
幻冬社 2007年3月 ★★★★★

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客を装う粋な男が、姿を消した花魁・葛城に関わりのあった人物に接触して、話を聞き出していく。
聞き出すというよりも、それぞれの登場人物が一人語りをする。
引手茶屋の女将、妓楼舞鶴屋見世番、番頭、番頭新造、幇間、遣り手、床廻し、指切り屋、女衒たちが、吉原における自らの役割を挟みながら、葛城について語っていくことで、ストーリーが進んでいく。
葛城を悪くいう者はいない。

葛城が吉原に入ったのは14歳のとき。葛城は年相応のしつけも読み書きも身につけていたうえに、非常に利発だったという。あまりにも遅すぎるゆえ、出世は望めないと見られていたが、頂点に上りつめた。

ついには、葛城を水揚げした客や身請けが決まっていた縮問屋の店主が登場し、神隠し事件の全貌が明らかになっていく。
遊里文化の詳細が見事に描かれている。

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