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『吉原花魁』

吉原の花魁にまつわる短篇を集めたアンソロジー。
著者は、隆慶一郎、平岩弓枝、宇江佐真理、杉本章子、南原幹雄、山田風太郎、藤沢周平、松井今朝子の、時代小説の達人8人。
読み応えのある傑作ぞろいであるが、『張りの吉原』(隆慶一郎)、『紫陽花』(宇江佐真理)、『爪の代金50両」(南原幹雄)の3作品が、吉原らしいストーリーで、メリハリがあり特に出来がいいと思った。

吉原花魁 (角川文庫)
吉原花魁
posted with amazlet at 15.10.02
縄田一男編
角川文庫
2009年 ✳10

『張りの吉原』隆慶一郎
「張り」とは、「突っ張っている」という意味。吉原花魁の「張り」を知りたいと、大阪の太夫だった花扇は思った。16歳で太夫になり18歳で堺の大商人に根引きされ内儀に収まり、20歳のときに旦那がぽっくり腹上死した。
花扇は店の者を集め、1年だけ暇をくれと大阪をあとにした。
「張り」がなんであるか知りたいとの花扇の申し出に、吉原の西田屋の又左衛門は、彼女を太夫・総角(あげまき)の番頭太夫にした。
そして、花扇は総角の秘密を知るにいたり、ついに「張り」がなんであるか突き止めた。

『紫陽花』宇江佐真理
花魁だったお直は、近江屋の半兵衛に身請けされ、なに不自由のない内儀の生活を送っていた。ある日、偶然に客引きの辰吉に出会い、奴女郎の梅ヶ枝の死を知らされ、棺を見送ると約束する。紫陽花の咲く雨の中、半兵衛とともにお直は梅ヶ枝を見送った。
そして、半兵衛からお直の知らない梅ヶ枝を知らされる。

『爪の代金50両』南原幹雄
木曾屋の徳次郎が花魁・豊鶴の身請けの 起請に剥いだ爪をもらい、50両を工面してやった。ところが強欲な豊鶴は自分の爪を送ったのではなかった。徳次郎と豊鶴が大喧嘩をして、徳次郎は大江戸への出入り禁止となる。徳次郎は50両の勘定が残っていた。
付き馬屋のおえんは借金の取り立て屋。おえんは大江戸やから50両の取り立ての依頼を受ける。引き受けた以上、必ずや取り立てるつもりだ。
しかし、徳次郎は一筋縄ではいかなかった。

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