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2015年11月19日 (木)

美貌格差 ダニエル・S.ハマーメッシュ

美貌は人にどの程度の利益をもたらすのか。経済学者が検討した。
まずは、主観が入り込む美貌を統計処理できるかどうかを論じなければならない。様々な点から検討した結果、美醜を5点から1点の5段階に採点する方法は、統計学的に正当性があるという結論に達する。この点をクリアしなければ、本書は成り立たない。
Photo_20210127143101美貌格差: 生まれつき不平等の経済学
ダニエル・S. ハマーメッシュ 望月 衛 訳
東洋経済新報社
2015年

各点数が占める割合は、「容姿の評価、アメリカにおける生活と雇用の調査(1970年代における18歳から64歳のアメリカ人、女性1495人、男性1279人のデータ)」によると、次のようになる。

素晴らしくハンサムか美人(5点)
容姿がよい(4点)
平均的な容姿(3点)
見るべきものなし(2点)
醜悪(1点)
女性 3% 
女性 31%
女性 51% 
女性 13% 
女性 2%
男性 2% 
男性 27% 
男性 59% 
男性 11% 
男性 1%

収入に関する結果は、男女の平均でみると、美貌のグループ(4点・5点)は平均(3点)より収入が5%高く、見た目の悪いグループ(1点・2点)は平均より10%低かった。
生涯の所得では、美しい人と醜い人では、23万ドルの差がつくという露骨な結果がでた。

弁護士も大学教授も美貌は有利である。政治家の人気は明らかに美醜が関係する。
売春婦も美しい人が稼ぐ。COEがいけてる会社の成績はいい。
融資を受けるさいも美貌は得である。
現代社会には、美人プレミアムと醜人ペナルティがはびこっているのだ。

事故により顔面をケガした人の補償問題にかかわっている著者は、美貌だけに目を向けてはいない。ブサイクな1~2%の人たちの不遇は、有色人種たちが受けている差別と変わらないとし、政治的に保護されうるとしている。→人気ブログランキング

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