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2015年12月18日 (金)

現代アート入門の入門 山口裕美

日本の現代アートは世界の流れに大きく取り残されていて、惨憺たる状況だという。著者はアートプロデューサー。

2001年1月、村上隆が企画した「スーパーフラット展」は、アメリカでセンセーショナルに受け入れられた。2002年5月、クリスティーズのオークションで、村上隆の「HIROPON」に38万ドル(4860万円)の値がついた。
ところが、アメリカで大成功を収めた「スーパーフラット展」は、日本のマスコミではほとんど報道されず、日本の美術界で話題にされることもなかったという。
日本人は才能の突出した同胞を無視する傾向があるという。確かにそう思う。

Photo_20210702084701現代アート入門の入門
山口裕美
光文社新書
2002年

日本の現代アートを取り巻く環境は厳しい。
アーティストが作品を作るアトリエが郊外に追いやられている。
美術館から要請されても、大作を作る大きなスペースがアトリエがない。
美術展が終わった後に作品を収納する場所がない。
そもそもキュレーター制度がなっていない。

美術館の役割の一つは、同時代のアーティストの作品を市民に成り代わってコレクションすることだが、そういう意識が美術館にない。まったく嘆かわしいことだという。
かつて、村上隆と奈良美智の個展を行った東京都美術館と横浜美術館が、彼らの作品をコレクションしなかったのは世界の常識ではありえないことだという。

日本の美術館には、教育的鑑賞、高尚な趣味、という思い込みが充満している。もっと自由に鑑賞させるべきだというのが著者の意見。

海外アート市場で、日本アーティストがバナナと呼ばれる理由は、肌は黄色いが中身は白く欧米化されていることを指す。現代アートはアーティストのアイデンティティが重要な要素になっている。日本人らしさが求められているのだ。

八方ふさがりの日本の現代アートだが、著者が期待する日本のアーティストを何人か紹介し、現代美術を展示するやる気十分な美術館を巻末に挙げている。

現代アートは不動産よりも確実に値上がりする可能性があり、10倍になるなどザラだという。それゆえ投機の対象になるので、購入しましょうと提案している。→人気ブログランキング

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