小泉今日子書評集 小泉今日子
かつてのアイドルが書いたものと高をくくって読みはじめたら、数ページでただ者ではないと感嘆した。自らの本音を吐露しつつ、さりげなく本の紹介をしている。その構えていない本音がなるほどと納得させる内容で素晴らしい。
著者がアイドルであったということを含めて、余人をもって替え難い才能の持ち主といっていいだろう。
タイトル通りの本物の書評集である。
取り上げている本は著者と同年代の女性作家のものが多い。
![]() 小泉今日子 中央公論新社 2015年 |
アイドルのころ、現場で人に話しかけられるのが嫌で本を読んでいたことが、本を好きになったきっかけであると書いている。
読売新聞の日曜の書評欄を担当することを打診され、担当者と酒を酌み交わしているうちに、いつの間にか承諾してしまったという。
そして10年間(2005年〜2014年)も、読書委員を務めた。
発掘した担当者も褒め称えられるべきだ。→人気ブログランキング
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