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『ニューロマンサー』 ウィリアム・ギブソン

サイバーパンクSF・ブームの引き金となったメモリアルな作品である。
日本をバックグラウンドの一部に設定しているのは、著者夫人が日本人に英語を教えていたことの影響だという。

ケイスは電脳空間(サイバースペース)カウボーイとして一流だったが、今は千葉市(チバ・シティ)の棺桶(コフイン)ホテルに寝泊まりする無頼(ゴロツキ)にまで落ちぶれている。
数年前まで、ケイスはマトリックスと呼ばれる共感覚幻想の中に、肉体を離脱した意識を投じる特注電脳空間デッキに没入(ジャック・イン)して、アドレナリン全開で活動していた。しかし、ケイスはカウボーイの掟を破り、雇い主の情報を売る裏切りを働いてしまう。その報いとしてソ連製の真菌毒(マイコトキシン)を注入されて、ジャック・インできない体になった。それを紛らわすため薬を使っている。

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)
ニューロマンサー
posted with amazlet at 16.02.14
ウィリアム・ギブソン/黒丸 尚訳
ハヤカワ文庫SF 1987年

そこに、救いの手を差し伸べるアーミテジが現れて膵臓を買い与え、手術が施され、ケイスは依存症から立ち直った。ところが、ケイスの大動脈には15個の毒嚢が埋め込まれ、任務をやり遂げるまで、アーミテジたちの手の内にいることになる。
ケイスの相棒である剃刀女モリイは、反射神経を神経外科的に加速して戦闘機能を持つ生体に改造されている。ケイスはモリイの肉体のなかに移行することを試みる。ただしケイスが何かできるわけではない、モリイのやることを一方通行で感じ取るだけだ。

アーミテジの後ろには、冬寂(ウィンターミユート)というAI(人工知能)がいることがわかった。冬寂は同族企業テスィエ=アンシュプール(T=A)によって創造された。
ケイスは冬寂の指示に従い、モリイとともにT=Aの本拠である自由界(フリーサイド)にいき、その機密部分に侵入を試みる。そして、ケイスはT=Aによって作り出された冬寂とは別の高度AIの存在を知る。冬寂はそのAIとの接触を求めていたのだ。
ふたつの高度AIが遭遇することで、起こることとは。。

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