« ダロウェイ夫人 ヴァージニア・ウルフ | トップページ | 蒼路の旅人 上橋菜穂子 »

2016年3月25日 (金)

レオナルド・ダ・ヴィンチー天才の挑戦@江戸東京博物館

連休だったので、チケットを手にするまで60分、『糸巻きの聖母』を見るためにさらに75分も列に並ばなければならないという、まるで修行のような美術展であった。

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519年)とは、ダ・ヴィンチ村出身のレオナルドという意味だという。
14歳のときに、フィレンツェのヴェロッキオの工房に修行に入った。
絵画から兵器と、なんでも手がけるヴェロッキオの影響を受けて、ダ・ヴィンチも様々なことに興味をもった。
人体の解剖は30回関わったというし、空を飛ぶための研究には20年もかけている。
何しろ売れっ子画家なので絵の注文はどんどんくるが、作品を最後まで仕上げるのは稀で、途中で投げ出したり、はじめから手をつけなかったり、注文を反故にすることがしばしばあったという。

『鳥の飛翔に関する手稿』など、ダ・ヴィンチ直筆の資料をじっくり見たいところだったが、何しろ混んでいるので早めに切り上げ、『糸巻きの聖母』の列に加わった。

Event20160410_leonardo

『糸巻きの聖母』を見るための列にたどり着くまでに、『糸巻きの聖母』のレプリカや他の作家の模写などが並んでいた。「『糸巻きの聖母』は、75分待ちです」という掲示にうんざりしながらも、「ここまで来たのだから見ないで帰るわけにはいかない」と気持ちを奮い立たせ、列に加わった。
列にいる間、音声ガイドを聞き直し、あるいは列に加わっている客たちを観察して、時間を潰した。なかには、薄暗い照明のなか本を読んでる人もいた。連れとのべつ喋っている人もいたが、大抵は何をするともなくただ列が前に進むに身を任せている人たちだった。

『糸巻きの聖母』の前を、横に蛇行するように赤いテープで仕切られていた。
最初は遠くで、列が進むと段々近づくという閲覧システムなので、遠目から至近距離までたっぷりな時間をかけて鑑賞できた。
いよいよ真正面の至近距離で鑑賞できるポジションにきてじっくり見ようと思っても、そこでいすわれるような雰囲気はない。閲覧者がしばしとどまろうと儚い抵抗を試みても、列は氷河のようにじわりじわり動いていき、その動きには誰も抗しきれなかった。

『糸巻きの聖母』は、聖母に抱かれたキリストが、十字架を暗示する糸巻きを手にもって遊んでいる構図である。背景には『モナリザ』と同じような丘や岩肌が描かれている。聖母の「静」とキリストの「動」が見事に調和して描かれているが、漫画的である。
なお『糸巻きの聖母』は、バクルー公爵家の個人所有である。

ダ・ヴィンチの弟子についても触れられていた。
弟子のサライは、平気で嘘をつき盗み癖があってだらしないという性癖の持ち主であったが、ダ・ヴィンチは生涯そばにおいたという。ダ・ヴィンチがホモセクシャルだったこともあるが、サライは憎めない性格だったという。

天才、男色、偏屈が、ダ・ヴィンチを語る上でのキーワードである。
(2016年1月16日〜4月10日)

« ダロウェイ夫人 ヴァージニア・ウルフ | トップページ | 蒼路の旅人 上橋菜穂子 »

美術展」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: レオナルド・ダ・ヴィンチー天才の挑戦@江戸東京博物館:

« ダロウェイ夫人 ヴァージニア・ウルフ | トップページ | 蒼路の旅人 上橋菜穂子 »

2022年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ