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『天と地の守り人 第1部 ロタ王国編』上橋菜穂子

南の大国タルシュ帝国は、隣国を次々に侵略して枝国として操ってきた。いまや、海洋国のサンガル王国を手中に収め、新ヨゴ皇国に手を伸ばそうとしている。ロタ王国にも侵略の布石を打っていて、ゆくゆくは北のカンバル王国も手に入れようと企んでいる。
本作では、こうした国同士の関係に女用心棒バルサやチャグム皇太子の運命が翻弄される。

天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)
上橋 菜穂子
新潮文庫  2009年6月 ✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
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『蒼路の旅人』の最終章で、新ヨゴ皇国に向かう船から海に飛び込んだチャグムは、その思いを星読み博士シュガにしたためていた。「ロタ王は英明な方だ。わたしと同じ未来を夢みてくださることにかける」と。チャグムの夢とは、タルシュ帝国の侵略に抗するため、新ヨゴ皇国とロタ王国とが同盟を結ぶことである。

新ヨゴ皇国の帝はチャグム皇太子が海に身を投げたとの報せを受けとると、葬儀を済ませ第二皇子の立太子式を行った。
タルシュ帝国の使者は、すみやかにタルシュ帝国の枝国になるようにと、ことわれば新ヨゴ皇国を滅ぼすと伝えた。帝は皇国を汚れた敵から守るためという理由で、鎖国を宣言した。新ヨゴ皇国は神に守られた国であるから、天ノ子がだれかの下に位置することはあり得ないと。。

一方、バルサはロタ王国の港町の酒場でチャグムを探していた。売ったであろう宝石を手がかりに盗品を扱う店を訪れ、チャグムの痕跡をつかんだ。

ロタ王国では、タルシュ帝国の息がかかった南部の大富豪が、すきあらば騒乱を起こそうとしている。チャグムはその南部のスーアン大領主の城内に軟禁状態にあったが、逃走し、ロタ国王の弟イーハン王子に同盟の話を持ちかけたのだった。

前作『神の守り人』で、イーハン王子はロタ王国の建国ノ儀で、バルサに会っているので、バルサの目通りを快く受け入れた。
イーハン王子は、新ヨゴ皇国とロタ王国の同盟というチャグム皇太子の提案を受け入れられない理由がふたつあるという。ひとつはロタ王国が内戦の危機にあること、もうひとつはチャグムがすでに死者として弔われれていること。帝になりかわるためには、帝を殺すしかない。それをチャグムはできるか。
バルサは、イーハン王子に、カンバル王がロタ王国と同盟を結ぶことを承諾したらどうするかと迫る。カンバル王なら同盟を受けるとイーハン王子は応えた。

雪が降るなかバルサはチャグムを追いかけた。そしてタルシュの刺客の襲撃を受けるチャグムを助け、刺客を撃退したのだった。貴種流離譚の完結に向かって物語は進んでいく。

→『精霊の守り人
→『闇の守り人
→『夢の守り人
→『虚空の旅人
→『神の守り人
来訪編

→『神の守り人
帰還編
→『蒼路の旅人
→『天地の守り人
第1部 ロタ王国編

→『天地の守り人
第2部 カンバル王国編

→『天地の守り人
第3部 新ヨゴ皇国編
→『流れ行く者
守り人短編集

→『バルサの食卓

→『孤笛のかなた
→『鹿の王 上下

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