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『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク

人類の進化に対するアイロニー。
ある日、巨大宇宙船の一群が、ニューヨーク、ロンドン、パリ、モスクワ、ローマ、ケープタウン、東京、キャンベラなどの大都市に現れた。
ある国がミサイルを発射したが、宇宙船は無傷であり、その国は崩壊させられた。
地球外生命体はオーバーロード(上帝)と呼ばれ、その代表であるカレルレン総督により、地球は支配されはじめた。しかし、オーバーロードの目的は明らかではなかった。
やがて人類は中空に停止し続ける宇宙船を、太陽や月と同じような天体として受け止めるようになった。

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))
幼年期の終り
posted with amazlet at 16.06.03
アーサー・C・クラーク
福島正美 訳
ハヤカワ文庫 1979年4月 ✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎

宇宙船が地球に現れてから5年が経過し、国同士の争いは起こらなくなり、地球は平和になった。
そして、ついにカレルレン提督が人類の目の前に姿を現した。
その姿は、皮に似た強靭な翼、短い角、さかとげのある尻尾を備えた巨体だった。人類が悪魔ととらえる姿とそっくりであった。

宇宙船が飛来して50年経つと、世界は単一国家になり、科学の発達はなくなった。
ひょんなことから、一流のピアニストであり天文学を学ぶジャンは、地球から40光年離れたオーバーロードの生まれ故郷を知ることになった。
ジャンはオーバーロードの帰還船に潜り込んで密航する計画を立てた。
オーバーロードの国に着いて戻ってくるまでに、ジャン自身には2か月の時間しか経たないが、地球では80年が経過する勘定になるのだ。
カレルレンは、定例会見で帰還船に紛れ込んだ人間がいたことを発表した。

やがてオーバーロードの目的が見えてきた。
地球は放っておけば滅びた。それをわれわれは救ったのだと。人類に危害を加えるためでも交流するためでもなく、人類を幼年期から青年期に進化させるための手助けをするために来たのだという。
しかし、最後に、オーバーロードが抱えるアイロニカルな進化の問題が明らかになる。

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