ラブラバ エルモア・レナード
マイアミが舞台のせいが、切羽詰まった感がなく陽気だ。
フランク・シナトラやロバート・ミッチャムたちが出演するノアール映画のシーンが、事件の核心を暗示する。アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA、Mystery Writers of America)最優秀長篇賞受賞作(1984年)。
ラブラバ〔新訳版〕 エルモア・レナード/田口俊樹 早川書房 2017年 |
マイアミ・ビーチでホテルを経営者する老紳士モーリスが、息子ほど年の離れたカメラマンのラブラバを画廊経営者の女性に売り込むところから物語ははじまる。
モーリスは往年の銀幕女優ジーン・ショーンにコンドミニアムを提供している。
30代後半の優男ラブラバは、カメラマンの前は大統領のシークレット・サービスだった。その前は国税疔の査察官(マルサ)だった。
ラブラバが、生涯で初めて夢中になって恋い慕った映画スターがジーンだった。
ラブラバとジーンは、映画の話題で盛り上がる。ラブラバはシークレット・サービスだった頃の感がよみがえって、ジーンには危険なことが起こりそうな予感がした。
ジーンには、怪しい男がつきまとう。
大男のノーブルズは、ジーンが住むコンドミニアムの警備会社の警備員で、ジーンと話すようになった。ジーンはノーブルズをキュートと言っているが、ラブラバには危険人物にしか見えない。典型的な社会病質者で、精神的な発達がどこかで止まっていて、何をするかわからない不気味さが漂う男だ。
ノーブルズと組むキューバ人のグンドーは、殺人で刑務所に入り脱獄してマイアミにやってきた。悪党でないときは、ゴーゴーダンサーとしてバーで踊っている。
ノーブルズとクンドーは女優を騙して金を巻き上げようとしている。
そして、ジーンのもとに、いかにもノーブルズが書いたと思わせる60万ドルの脅迫状が届く。
ラブラバは後ろで糸を引く人物がいるのではないかと疑った。ラブラバが脅迫の手口がジーンが出演した映画に似ていると気づいたことから、犯行の糸口が見えてくる。→人気ブログランキング
オンブレ/新潮文庫/2018年3月
ラブラバ/ハヤカワ・ミステリ/2017年
ラム・パンチ/角川文庫/1998年(『ジャッキー・ブラウン』DVD)
ミスター・マジェスティック/文春文庫/1994年
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