« かぜの科学 もっとも身近な病の生態 ジェニファー・アッカーマン | トップページ | ミスター・メルセデス スティーヴン・キング »

2016年9月13日 (火)

女には向かない職業 P.D.ジェイムズ

共同経営者のバーニイが癌を儚んで自殺してしまったので、弱冠22歳のコーデリア・グレイは、「プライド探偵事務所」を一人でやっていかなければならなくなった。
火葬場から事務所に戻ると、使いの女性が待っていて、ロナルド卿がコーデリアに直接会って仕事を依頼するかどうか決めたいという。息子のマークが自殺した理由を調べて欲しいという。
この辺りまではあっさりと話が進むが、マークの4人の友人が出てきてから、話が広がり複雑になっていく。
Photo_20210519080801女には向かない職業
P.D.ジェイムズ/小泉喜美子
ハヤカワ・ミステリ文庫
1987年

大学生だった21歳のマークは、突然、大学を退学した。
コーデリアが退学した理由を指導官に電話で訊ねると、わからない、問題のない学生だったとの答えであった。
退学したあと、マークはマークランド少佐の広大な《サマーツリーズ》邸で、庭師として働いていた。庭に放置してあったカテージに住んでいた。
そして首を吊った状態で死んでいるのを発見されたのだ。警察は自殺として片付けた。

コーデリアがカテージの周りを捜索すると、雑誌の女のヌード写真を丸めたものが雑草の中から出てきた。マークは偏執的に几帳面できれい好きだったと思われるが、鋤を手入れせず、仕事用の靴を脱ぎっぱなし、コーヒーカップは洗っていない、シチューを作っていた鍋はストーブに乗ったまま。自殺を考えている者が、食べるつもりもない料理を用意するだろうか。

コーデリアは、カテージに泊まることにした。
その前に、愛車のミニでケンブリッジへ行って、新聞社で事件の記事を調べ、マークの友人に会い、警察で担当刑事に会う予定を立てた。時間があったので、ケンブリッジを観光した。なんという余裕だ。
コーデリアにはタフな理由がある。すでに亡くなった父親は旅回りのマルキシスト詩人でアマチュア革命家。父親はしょっちゅう争い事の渦中にいた。そんな親の近くで育ったのだ、コーデリアはタフにならざるを得なかった。
彼女はバーニーが遺した38口径の拳銃を携え、愛車のミニを乗り回し、身に降りかかる火の粉を物ともせず、ひた向きに真相に迫っていく。

本作は事件の全貌が明らかになってからも山場がある。
コーデリアはスコットランドヤードに呼び出され、事件について尋問される。この尋問で、バーニイの上司だったスコットランドヤードの警部は、コーデリアの受け応えから、バーニイとの付き合い方が間違っていたことを思い知るのだった。→人気ブログランキング

« かぜの科学 もっとも身近な病の生態 ジェニファー・アッカーマン | トップページ | ミスター・メルセデス スティーヴン・キング »

ミステリ」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 女には向かない職業 P.D.ジェイムズ:

« かぜの科学 もっとも身近な病の生態 ジェニファー・アッカーマン | トップページ | ミスター・メルセデス スティーヴン・キング »

2022年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ