神々のワード・プロセッサ スティーヴン・キング
「しなやかな銃弾のバラード」のなかの次の一文が、本書の内容を大まかに表している。
〈本当にあったとこだと断言するつもりもない。わたしが言えることは、そういうことがあったと、わたしが今でも信じているということだけた。大して違いはないようだが、わたしにとってはすこぶる重要なことでね。〉
神々のワード・プロセッサ スティーヴン キング 扶桑社ミステリー文庫 1988年 |
「神々のワード・プロセッサ」
亡くなった甥がくれた手作りのワープロは、「実行」や「削除」を押すと、書いたことが、その通りになった。
「実行」と「削除」を繰り返すうちに、ワープロは煙を発して悲鳴をあげる。
「オットーおじさんのトラック」
酔っ払ったオットーおじさんとマカチャンが無茶な運転をして、車をお釈迦にした。
マカチャンはトラックに踏み潰されて亡くなった。
マカチャンが車から降りて、車の前に座り車の状況を調べようとしたときに、車をオットーおじさんが押して、下敷きにしたらしいのだ。
車は野原に放置された。
マカチャンと組んで土地の売買をし、大金持ちだったオットーおじさんは、道路を挟んで車のまん前に建てた学校を村に寄贈したが、受け取りを断られた。
オットーおじさんはその家に住みはじめたのだ。
そして、徐々に車が家に近づいてくると、オットーおじさんは言いだした。
「ジョウント」
転勤で火星行きのジョウント・サーヴィスに、オーツ一家4人がやってきた。
ジョウントとはテレポテーションのこと。個人の超能力ではなく、空間移動を行う装置として普及している。ジョウント時に意識の無い状態になっている必要があるとされている。
ジョウントの開発のエピソードと、ジョウントの順番を待つ一家の様子とが、交互に語られる。父親は子どもたちがパニックに陥らないようにと、気を紛らわすかのようにジョウントの安全性について説明する。
そして、オーツ一家に順番が回ってきた。
「しなやかな銃弾のバラード」
編集者が、銃で自殺した小説家レグ・ソープの短編の出版に関するすったもんだを、小説家夫婦とエージェント夫婦に聞かせる。
著者が狂っていくと同時に、語る編集者も狂っていった。
「猿のシンバルン」
30年前に、井戸に放り込んだ香港製の猿のおもちゃが出てきたのだ。
ぜんまい仕掛けの猿のおもちゃが災いをもたらす話。→人気ブログランキング
『神々のワード・プロセッサ』
『ミスター・メルセデス』
『ジョイランド』
『11/22/63』
『書くことについて』
『幸運の25セント硬貨』
『1922』
『ビッグ・ドライバー』
『スタンド・バイ・ミー』(DVD)
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