キャリー スティーヴン・キング
『キャリー』の主人公は、念の力でものを動かすことができるテレキネシスをそなえた、いじめられっ子の少女である。クラスメートのスー・スネルは、シャワールームで陰湿ないじめに加わったことの罪滅ぼしに、自分のボーイフレンドを説き伏せて、卒業パーティでキャリーの相手役を務めさせる。このふたりがキング&クイーンに選ばれて、祝福を受けているとき、意地悪なクラスメートのクリス・ハーゲンセンからまたしてもひどい仕打ちを受ける。キャリーは復讐の鬼と化し、テレキネシスを使ってクラスメートの大半と冷酷な母親を殺し、自分も命を落とす。
以上は、『書くことについて』で著者自身が書いた『キャリー』のあらすじである。
キングのデビュー作とされる本書は3度映画化されている。
キャリー スティーヴン キング/ 永井淳 新潮文庫 1985年 |
宗教的に狂っている母マーガレット・ホワイトは、悪魔の下僕のような存在である。そもそもキャリエッタ・ホワイトは望まれて生まれてきた子ではなかった。マーガレットは下腹部が膨れてきたのは悪性腫瘍のせいだと思った。やがて天国で待つ夫のもとに行けると信じていた。
マーガレットはキャリーと同じユーイン・ハイスクールの卒業生で、2回停学になっている。停学の理由は、クラスメートを殴ったことと、生徒にダーウィンの進化論を教えた教師に、「イエスは地獄の特別席を用意しておくだろう」と言ったことによる。
マーガレットはキャリーを度を越して厳しく躾け、禁を侵すとクローゼットに閉じ込め祈ることを強制した。
キャリーは体育の授業が終わった後のシャワールームで、初潮を迎えパニックに陥る。初潮のなんたるかを理解していなかった。キャリーをはやしたてタンポンやナプキンを投げつけたクラスメートを制止し、キャリーをなだめたのは体育教師のデジャルダン先生。
キャリーがヒステリーを起こしたとき、ミス・デシャルダンはシャワールームのライトのひとつが消えたことに気づいていた。
本作のテーマは血とテレキネシスである。
クリスの仕打ちに、キャリーはぶち切れた。
チェンバレンの街は、学校は全焼、中にいた教師と生徒たちは焼死。
消火栓はひとりで開き勢いよく水があふれ、消防車が出動しても使い物にならない。ガス本管が爆発し、電線がガソリンに引火し炎を上げた。
ダウンタウン全域が火の海となる。→人気ブログランキング
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