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2017年5月16日 (火)

晩春の落ち葉ども

晩春には、常緑広葉樹は葉が茂るに伴い、古い葉をだらだらと落葉し続ける。この時期、3面が道路に面しているわが家は、道路の落ち葉掃除に追われる。

わが家が面する道路のアスファルトは、目の粗い水はけのよい仕様である。家を建てたときに、市の条例に従い1メートルのセットバックを強いられた。セットバックした部分が砂利のままなので、舗装することにした。このとき、アスファルトに種類があるとは知らず、「水はけの良い方にしましょう」という建築会社の担当者の意見に従った。わが家の周りだけが目の粗いアスファルトになった。

アスファルトには、大まかに透水性と排水性の2種類がある。そのほかカラー仕上げや弾力素材を混ぜたりすることもできて、細かく分けると10種類以上もあるそうだ。町の幹線道路は排水性アスファルト仕様で、道路の中央が高く端にいくほど低くなっている。雨が降ると傾斜に沿って道路端の側溝や下水に雨水が流れ込む構造になっている。目が粗い透水性アスファルトは、雨が降るとそのまま染み込むようになっている。

家の正面は、低木のキャラボクを植え、さらにカクレミノを等間隔で10本ほど並べた。裏庭はウバメガシの生垣で囲った。垣根といえば『夏は来ぬ』に出てくる卯の花と思っていたが、「最近、卯の花の垣根は流行っていませんね。落葉樹ですから垣根には向いていませんよ」と、庭師にあっさり却下された。

ウバメガシは備長炭の原料となる硬い木質の雑木で生命力が強く、晩春にはこれでもかというくらい旺盛に落葉を繰り返す。ウバメガシの葉には山なりのカーブがあり、葉脈の先端が尖っている。尖ったところが粗い目のアスファルトに引っかかり、ホウキで掃いてもビクともしないことがある。ホウキの力に逆らい、チリトリとは別の方向に跳ねたりして、まるで意志を持っているかのように反抗的に振舞ったりする。さらに、塀のコンクリートの土台とアスファルトの隙間に刺さった葉は、手でつまんで取るしかない。これを1か月以上続けなければならないのだ。

近くの公園の卯の花が香る頃になると、ウバメガシの垣根に妥協しまったことを後悔する。→人気ブログランキング

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