めぐりあう時間たち
1923年、リッチモンド。
ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)は、『ダロウェイ夫人』を執筆し始めた。パーティの準備をするラリッサ・ダロウェイ夫人の1日を書こうと、頭を悩ませている。
めぐりあう時間たち The Hours 監督:スティーヴン・ダルドリー 脚本:デヴィッド・ヘア 原作:マイケル・カニンガム 音楽:フィリップ・グラス アメリカ イギリス 2002年 |
1951年、ロサンゼルス。
妊娠6ヶ月のローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)は、夫の誕生日のケーキ作りを息子と始めるが、うまくいかない。
日々の生活に違和感を感じているローラは、『ダロウェイ夫人』を読んでいる。
2001年、ニューヨーク。
サリー(アリソン・ジャニー)と暮らすクラリッサ・ボーン(メルリ・ストリープ)は、小説家である友人のリチャード(エド・ハリス)の受賞パーティーの準備をしている。リチャードはエイズの末期で足を引きずりながら生活をしている。
クラリッサはパーティ好きで、ダロウェイ夫人とあだ名されている。
ヴァージニアとローラはそれぞれが死を考えている。クラリッサには死が迫った友人がいる。ヴァージニアもローラも女性とキスをすることで心が落ち着く。クラリッサは女性と暮らしている。
死とゲイがテーマだ。
3人のそれぞれの1日が映し出され、『ダロウェイ夫人』が、3人を結びつけている。
ヴァージニア・ウルフは女性との性的関係があったと言われている。
1941年、ヴァージニアは夫と姉に遺書を残し入水自殺した。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールは著書『第二の性』(1949年)の中で、「これまでのすべての女性作家の中で既定の条件について探求しようとした女性作家は、エミリー・ブロンテ、ヴァージニア・ウルフ、そして“時々”キャサリン・マンスフィールドの3人だけである」と書いている。
ヴァージニア・ウルフは、最初にフェミニズムを訴えた女性のひとりとされている。→人気ブログランキング
いつになったら顔を出すのだろうと思わせるぐらいの別顏メイクで、ヴァージニア・ウルフを演じたニコール・キッドマンが、アカデミー賞主演女優賞を獲得した。
→『ダロウェー夫人』ヴァージニア・ウルフ
→『バージニアウルフなんかこわくない』(1966年 マイク・ニコルズ監督)