米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体 ケント・ギルバート
北朝鮮がミサイルを発射し核実験を行い、軍拡を進める中国が国境の現状変更を画策する状況の中、日本がいつ有事に巻き込まれてもおかしくないことは、日本人なら誰もが実感していることだ。軍事的に日本人自らを縛る憲法がこのままでいいのか。日本をこよなく愛する著者が、憲法改正の必要性を多角的な視点から舌鋒鋭く説く。
第9条 第1項:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 第2項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 |
日本国憲法はGHQが作ったのは明確である。GHQがこの事実を正式に認めて、憲法草案執筆の経緯を詳しく書いて出版している。占領する側は占領先の法律を守るべきで、占領先の憲法を制定するなどということは、戦時国際法の明白な違反である。
こうした事実は日本人に知らされなかった。この状況を可能にしたのは、GHQが命じたプレスコード(報道規制)と、この規制の遵守状況のために行われた検閲、アメリカに二度とは刃向わない国民にするたの、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」の効果である。
「日本国憲法は素晴らしい」「第9条のおかげで日本は平和だ」と小中高の教科書で教えられ、刷り込まれたのだ。
![]() ケント・ギルバート 角川新書 2017年 |
多方面から、日本国憲法はおかしいと指摘されている。国際法に違反した制定過程、翻訳調のこなれていない日本語、GHQによる押しつけ憲法、素人が寄せ集めで作ったコピペ憲法などと批判されているが、いずれも事実である。
日本国憲法の内容は国際標準に近いごく普通の憲法だという。「日本国憲法を世界遺産に」という発想は、憲法の国際標準を知らない人の言う戯言である。
日本国憲法には、決定的におかしいところが二つあるという。
それは元首の規定がないことと、もうひとつは軍隊の保持を禁じた第9条第2項。
パラサイト的な甘い考えが許される時代は終わった。アメリカ人全員が、アメリカは日本のために戦うべきだ」と思っているはずがないというのは当たり前のことだが、一部の日本人は現実を見ようとはしない。アメリカにおんぶにだっこの時代は終わったのだ。
まずは憲法9条第2項を削除して国防軍を整備し、専守防衛の方針も見直して、一刻も早く敵基地攻撃能力を備えるべきだとする。 →人気ブログランキング
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