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『行動分析学入門』杉山尚子

行動分析学は、1930年代にアメリカの心理学者バラス.F.スキナーによって創始された心理学の1分野である。本書はスキナーの行動分析学を基に、著者らが独自に発展させた行動分析学の入門書である。
では、行動とはなにか?
スキナーは「行動とは生体のもつ機能の中で外界に働きかけ、外界と交渉を持つもの」と定義している。また、スキナーの弟子であるオージャン・リンズレーによれば、「死人にはできない活動のこと」。

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行動とそれがもたらす効果の関係を行動随伴性と呼ぶ。この行動随伴性によって行動を捉えることこそが、スキナーの行動分析学の根幹をなすものである。
では、行動随伴性とはなにか?行動の後に起こる、あるいは行動と同時に起こる状況の変化である。

行動の基本的な原理を「レスポデント行動」と「オペラント行動」に分類する。レスポデント、オペラントはスキナーの造語。
「レスポデント行動」とは刺激に対する反応をいう。例としては、目にホコリが入ると涙が出る。別名、古典的条件づけ、またはパブロフ型条件づけ。
「オペラント行動」とは、行動の原因は後にある。例としては、メガネをかけるとよく見える。別名、道具的条件づけと呼ぶ。

著者自身のエピソードも交えて、わかりやすい例をあげて説明している。
著者は現在星槎大学教授。→人気ブログランキング

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著者らが提唱する「好子」と「嫌子」について。
「好子」「嫌子」は、著者と研究仲間による造語である。
「好子」は、行動の直後に現された場合に行動が強化される出来事」。本人にとって好ましいことが多い。手が冷たい→手をコタツに入れる→手が温かい。
「嫌子」とは、「行動が強化される時に、行動の直後に消失する刺激や出来事」。「説教される→謝る→説教されなくなる」

「好子出現の強化」「嫌子消失の強化」「嫌子出現の弱化」「好子消失の弱化」は、基本随伴性と呼ばれ人間を含めた動物の行動を考える上で根本となる行動の法則である。

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