第四解剖室 スティーヴン・キング
本短篇集に収録されている「黒いスーツの男」は、雑誌『ニューヨーカー』に掲載するさい、編集者のサゼッションで結末を曖昧にしたという。それはそれで良かったと著者は付記で書いている。
結末が悲惨すぎると、『ニューヨーカー』には載せられないという事情だったらしい。なにしろ『ニューヨーカー』は都会派の洗練された記事がウリの雑誌だった。結末を変えたことが功を奏したのか、「黒いスーツの男」は O・ヘンリー賞(1996年)の1等賞を受賞した。『短編小説のアメリカ52講』(青山 南著)に、本作品がO・ヘンリー賞に選ばれた経緯が書かれている。
新潮文庫 2004年
売り上げランキング: 303,330
「第四解剖室」Autopsy room four
生きたまま解剖されるまでの恐怖を描く。
「黒いスーツの男」The man in the black suit
9歳のときの話。兄が蜂に刺されて死んだのは1年前だった。
川に釣りに出かけた。いつもはついて来る愛犬はその日に限ってついてこなかった。
体長19インチのカワマスを釣った。父に教えられた通りはらわたを取り、処理した。
居眠りして眼を覚ますと、コート着た男が現れ、母が蜂に刺されて死んだという。アナフィラキシーショックで。。
男に襲われカワマスを奪い取られそうになった。
そこに父が現れる。
「愛するものはぜんぶさらいとられる」All that you love will be carried away
アルフィーは冬のモーテルに入った。目的は自殺だ。
死を覚悟した男が最後に行う日常的なこと。
「ジャック・ハミルトンの死」The death of Jack Hamilton
銀行強盗を決行したアウトローたちの友情物語。なかなか死なない男を描く。
「死の部屋にて」In the deathroom
処刑をまじかに控えた男の目に映ったのは、シーツに隠された電気ショックを与える拷問の機械だった。
モーリス・ラヴェルのバレー音楽『ポレロ』のように、徐々に処刑の恐怖が昂まっていく。
「エルーリアの修道女」The little sister of Eluria
ファンタジー長編『ダーク・タワー』の外伝。→人気ブログランキング
ミスター・メルセデス ジョイランド 11/22/63 ダークタワー IV1/2 鍵穴を吹き抜ける風 ダークタワー IV 魔道師と水晶球 下 ダークタワー IV 魔道師と水晶球 上 ダークタワー III 荒地 下 ダークタワー III 荒地 上 ダークタワー Ⅱ 運命の3人 下 ダークタワー Ⅱ 運命の3人 上 ダークタワーⅠガンスリンガー 書くことについて ミザリー キャリー キャリーDVD |
幸運の25セント硬貨 |
« 行動分析学入門 杉山尚子 | トップページ | 大人のお作法 岩下尚文 »
「ホラー」カテゴリの記事
- 深夜勤務(ナイトシフト1) スティーヴン・キング(2020.05.20)
- アンダー・ザ・ドーム スティーヴン・キング(2020.04.24)
- 死の舞踏 恐怖についての10章 スティーヴン・キング(2020.04.18)
- 第四解剖室 スティーヴン・キング(2017.11.05)
- ミザリー スティーヴン・キング(2017.07.27)